則天去私の文学論 『米国篇:多元的宇宙』

長谷部さかな 著

【本文中の記号について】
◇ 漱石文からの転記。
☆ ジェームズ文、吉田夏彦訳からの転記。
◆ ジェームズ文からの転記。     
★ 補足的事実、研究者の論文からの転記、その他。
◎ 本稿筆者の感想。

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『思い出す事など』メモ(1)
   2017/5/4 (木) 09:36 by Sakana No.20170504093619

05月03日

◇ジェームズ教授の訃(ふ)に接したのは長
与院長の死を耳にした明日(あくるひ)の朝
である。

◇新着の外国雑誌を手にして、五、六頁繰っ
て行くうちに、ふと教授の名前が眼に留(と
ま)ったので、また新しい著書でも公(おお
やけ)にしたのか知らんと思いながら読んで
見ると、意外にもそれが永眠の報道であった。

◇その雑誌は九月初めのもので、項中には去
る日曜日に六十九歳を以て逝(ゆ)かるとあ
るから、指を折って勘定して見ると、丁度院
長の容体が次第に悪い方へ傾いて、傍(はた)
のものが昼夜眉を顰めている頃である。また
余が多量の血を一度に失って、死生の境に彷
徨していた頃である。

★今年の夏とは明治四十三年(1910)八月。ジ
ェームズ(1842-1910)の死は1910年8月26日。
六十九歳。長与稱吉の死は9月5日、四十四歳。

◎漱石が生死の間をさまよった頃、ジェーム
ズと長与院長が死んだのは偶然か、必然か?


はじめに
   2017/5/1 (月) 07:35 by Sakana No.20170501073507

05月01日 

 『文学論』を自己本位で三読、四読した結
果、夏目漱石幻の論文『則天去私の文学論』
の内容を推理するには二人のウィリアムに注
目する必要があるという認識にたどりつきま
した。沙翁ウィリアム・シェイクスピアと哲
学者ウィリアム・ジェイムズです。
 そのうち、米国篇ではウィリアム・ジェー
ムズ『多元的宇宙』をよく読み、内容をよく
理解することを目標にします。
 実は私の卒論のテーマは『プラグマティズ
ムの哲学』でしたが、なぜか『多元的宇宙』
(A Pluralistic Universe)は未読です。
 プラグマティズムの哲学を卒論のテーマに
選んだと広言するにしては、不勉強のそしり
を受けかねません。「ジェームズ教授(の文
章)は読みやすくて明快。約半分ほど残って
いたのを、三日ばかりで面白く読みおわった」
と病床の漱石は記しています。
 ところが、私の英文読解力では読みやすく
て明快とはいえないのです。漱石と私とのこ
のような知的格差を解消するために、おそま
きながら、この機会(ラストチャンス?)に
原文を読んで、ジェームズ教授の思想を理解
し、漱石の文学論への影響を推理したいと思
っていますので、ご指導ご鞭撻よろしくお願
いします。
 邦訳は吉田夏彦訳(日本教文社)を参考に
させていただきました。 (2017.05.01)


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則天去私の文学論 『米国篇:多元的宇宙』 長谷部さかな 著
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