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地球温暖化がもたらす南アジアの危機
   2017/8/4 (金) 19:35 by 北松拓也 No.20170804193554

 8月2日付でイギリスの「BBC News」のサイトに、地球温暖化に関する新しい
研究結果を伝える記事が掲載され、かなり衝撃的な内容でした。記事の見出し
は、Warming to boost deadly humidity levels across South Asia(温暖化に
より南アジア全域で命にかかわるほど湿度が上昇)というもので、二酸化炭素
の削減による地球温暖化への取り組みが、もはや待ったなしの急務になってい
ることを示すものでした。ちなみに、南アジアには世界の総人口の5分の1が暮
らしています。

 この記事のリードの部分には、Millions of people living in South Asia 
face a deadly threat from heat and humidity driven by global warming 
according to a new study.(新しい研究によれば、南アジアに居住する何百万
もの人々が、地球温暖化によって引き起こされる暑さと湿気により命の脅威に
さらされる)と書かれていて、温度だけではなく湿度の問題も生命維持には見
逃してはならない重要なポイントであることが分かります。

 そして、記事は次のように予測していました。Most of India, Pakistan 
and Bangladesh will experience temperatures close to the limits of 
survivability by 2100, without emissions reductions.((二酸化炭素の)
排出量を削減しなければ、インド、パキスタン及びバングラデシュの大部分が
2100年までに生存可能な限界に近い気温に見舞われることになる)。

 ところでこの記事によれば、世界中のほとんどの公的な気象台では2種類の
温度計を使って気温を計っているといいます。一つは dry bulb thermometer
(乾球温度計)で、もう一つは wet bulb thermometer(湿球温度計)です。乾
球温度計は空気中の温度を計るものであるのに対して、湿球温度計は空気中の
相対湿度(relative humidity)を計るもので、湿球温度計による計測結果は、空
気中の温度を単にそのまま計ったものよりも通常低いそうです。

 さて、ここで覚えておきたいことは、For humans, this wet bulb reading 
is critically important.(人間にとって、湿球温度計の表示度数は極めて重
要である)ということです。この湿球温度計で示される私たちの周囲の環境の
温度が35度かそれ以上になると、次のようなことが起きます。our ability to 
lose heat declines rapidly and even the fittest of people would die in 
around six hours.(私たちの身体が熱を放出する能力が急激に低下して、最も
健康で適応力のある人たちでさえ、およそ6時間ほどで落命する恐れがある)。

 しかし、35度というのは、あくまでも「最も健康で適応力のある人たち」を
対象にした話です。そのあとに書かれた説明によれば、湿球温度計での35度は
人間が生存することが可能な限度であると考えられるけれども、ほとんどの人
たちにとっては31度であっても極めて危険なレベルであると考えられるそうで
す。
                               北松拓也


ドイツのメディアが伝えたイギリス議会選挙
   2017/6/13 (火) 18:31 by 北松拓也 No.20170613183141

 ドイツの有力誌「シュピーゲル」のサイトで、6月8日に行われたイギリス議
会選挙(Parlamentswahl in Großbritannien)の開票状況を伝えるニュースを
見たところ、6月9日付で May nach Unterhauswahl - Die eiernde Lady(下院
選挙後のメイ首相 ─ よろよろ歩きのご婦人)という見出しの記事が載ってい
ました。これはかなり辛辣な見出しです。

 この時点で、全下院650議席のうちすでに646議席が確定していて、二大政党
の獲得議席数は保守党が315で、労働党が261となっていました。これによって、
メイ首相の与党・保守党は過半数の326議席を確保できないことが明らかになり
ました。その後、保守党の議席数は3議席増え、最終的には318議席を得ました
が、選挙前の330議席に及ばないどころか、まさかの過半数割れです。

 上記の見出しがついた記事のリードの部分に目を通すと、Großbritanniens 
Premierministerin Theresa May hat hoch gepokert - und fast alles 
verloren.(イギリスのメイ首相は大きな賭に出た。──そして、ほとんどす
べてを失った)とメイ首相の思惑が外れた保守党の敗北を述べたのに続いて、
Nach einer denkwürdigen Nacht ist das Land politisch gelähmt. Und es 
ist völlig unklar, wie es weitergeht. (記念すべき一夜が明け、イギリス
の政治は麻痺した。そして、先行きはまったく不透明である)と、今回の議会
選挙がもたらしたイギリス政治の深刻な様子を伝えていました。

 この選挙後、メイ首相は議会内で多数派を維持するため、10議席を獲得した
北アイルランドの保守政党「民主統一党(Democratic Unionist Party、略称:
DUP)」と閣外協力をすることで合意したようです。しかし、選挙前よりも政権
基盤が弱くなったことから、今後予定されているEU(欧州連合)離脱に向けて
の交渉が難航することが予想されます。
                               北松拓也


THAAD(サード)の意味
   2017/6/4 (日) 12:55 by 北松拓也 No.20170604125530

 近年、新聞等の国際ニュース記事で「THAAD」という語をよく見かけます。特
に今年、米軍によってこの「THAAD」が韓国に配備されたことで、世界的に関心
が高まっています。

 さて、この「THAAD」という語は、頭字語、つまり英語で acronym と言われ
るもので、例えば「NATO」のように、各語の頭字をつづりあわせて作った語で
す。その「THAAD」の元になっている各語とは何かと言えば、Terminal High 
Altitude Area Defense です。

 この「THAAD」に対する日本語訳としては、私の知る限り、少なくとも二種類
あります。一つは「最終段階高高度地域防衛」で、もう一つは「地上配備型ミ
サイル迎撃システム」です。

 前者の「最終段階高高度地域防衛」は、元の Terminal High Altitude Area 
Defense という英語表現を忠実に訳したものであることが分かります。

 一方、後者の「地上配備型ミサイル迎撃システム」という訳語は、5月30日の
「日本経済新聞」のホームページに掲載されているのを見かけましたが、これ
は軍事用語に詳しくない一般の人々にも理解しやすいように、平たく言い換え
た表現と言うことができるかと思います。

 ちなみに、NHK WORLD のホームページに5月1日付で掲載された英文記事には、
the Terminal High Altitude Area Defense missile system, or THAAD (最終
段階高高度地域防衛ミサイルシステム、すなわちTHAAD)と書かれていました。

                               北松拓也


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「世界を読む」 文/北松 拓也
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