『雨月物語』


 安永5年(1776年)に刊行された野村長兵衞、梅村判兵衞合刻「雨月物語」(作:上田秋成)五卷五冊を「電子データ化」したものです。市販の注釈書を照合した上で、独特な仮名遣いや異体字の復元など、出来る限りオリジナルの形に近づけました。

 原文に用いられている異体字、俗用字のうち、第一水準・第二水準に含まれているものは、そのまま採用しました。含まれていないものに限り、正字に直しましたが、著しく正字と異なる形であったり、正字そのものが第一・第二水準にない字は、「□」として語注に委ねました。なお、原典で数カ所使われている「所」の俗用字は、すべて「所」にしてあります。

 正字のうち、本来の形のもの(いわゆる「旧字」)がJISコードに収められているものは、これを優先しました(ただし、「実」「関」のように、もともとの俗用字が常用漢字に採用されたものは、そのまま使っています)。収められていないものを常用漢字で代用する、という方針です。

 本データの作成には、NECの「98シリーズ」を用いました。機種やフォントにより、異なる字体が表示されることがあります。例えば、「鰺鶯蠣攪竈灌諫頸礦蘂靱賤壺礪檮濤邇蠅檜儘藪籠」と「鯵鴬蛎撹竃潅諌頚砿蕊靭賎壷砺梼涛迩蝿桧侭薮篭」は、入れ替わって表示されます。従って、MS−WINDOWS上で表示する場合、このデータをそのまま使うのでしたら、98上では「標準明朝」のフォントを使って下さい。「MS明朝」「JS明朝」やリコーの「HG……」は、いずれも90年JISですから上述の文字がすべて逆に表示されます。

 PC−9800シリーズのユーザー用に拡張コード(JIS7920〜7C6E)を使用したバージョンを別途作成しました。「7B43」とJIS入力すると「神」の正字が表示される機種並びにフォントを使用されている方は、ご利用下さい。

 振り仮名は、原文に記載されているものの中で、通常の音訓と著しく異なるものを中心に「大人<うし>」のようにつけています。また、語句の左右に異なる振り仮名が付けられている箇所は「禿驢<とくろ・くそぼうず>」のようにしました。

 繰り返し記号は、漢字のみの場合「々」で統一し、仮名を含む繰り返しは、「かえすがえす」などのように、濁点の有無を検討の上、書き直してあります。

 「雨月物語」の仮名遣いは、いわゆる「歴史的仮名遣い」とも別の表記をしているところが多くありますが、本文の欠落や誤字と同様、確認できる限り、オリジナルを優先するようにしました。

 参考文献:
  中村幸彦「上田秋成集(日本古典文学大系)」(岩波書店)
  鵜月 洋「雨月物語評釈」(角川書店)
  大輪靖宏「現代語訳対照 雨月物語」(旺文社文庫)

(製作/PDD普及協会)

この電子テキストは、LHAで圧縮され ugetsu.lzh というファイルに収められています。サイズは約131KBです。ここをクリックするとダウンロードできます。

なお、当データの転載を希望される方は、必ず、掲載者である吉田典吉 (yoshida@hokushin-media.com) までご連絡下さい。無断転載・複製は固くお断りします。また、タイプミスなどお気づきの点がありましたら、ご一報いただければ幸いです。

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