ことば・翻訳・そして文化
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「一週間de資本論」について
   2010/10/5 (火) 23:08 by 司馬拓也 No.20101005230827

 先週の月曜日から木曜日まで四夜連続で「一週間de資本論」という番組が、
NHK教育テレビで放送されたので見ました。番組のオープニングの映像の中
で、Aller Anfang ist schwer, gilt in jeder Wissenschaft.(すべての物事
の始まりには困難があり、それはどの学問にも当てはまることだ)というドイ
ツ語の文が映し出されましたが、確かに、学生のときに『資本論』を買って読
みはじめたときには、内容はもちろん文章表現自体もかなり難しく感じられ、
結局根気が続かず、最後まで読み進めることができませんでした。しかし、こ
の番組の中で引用された箇所をいくつか見て、意外にもやさしく感じられ、今
ならば『資本論』をかなりの程度まで理解できるような気がしました。それは
翻訳や解説のうまさのおかげだと思いますが、それに加えて私自身も学生のと
きよりは多くの人生経験を積んで見聞を広め、社会の成り立ちや仕組みが分か
るようになってきたからなのでしょう。


日銀の金融緩和策
   2010/10/5 (火) 22:32 by 司馬拓也 No.20101005223248

 日本銀行は本日行われた金融政策決定会合で、現在、年0.1%としている政策
金利を年0〜0.1%とし、実質的なゼロ金利政策を実施することを決めました。
このことはさっそくドイツの「ベルリン新聞」の公式サイトで下記のように報
じられました。

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Japanische Notenbank senkt überraschend die Zinsen
Tokio - Die japanische Notenbank hat im Kampf gegen die Wirtschaftskrise 
und den starken Yen ihre Zügel überraschend gelockert.
(出所:http://www.berlinonline.de/berliner-zeitung/index.php

【試訳】日本銀行、突然の金利引き下げ
[東京] 日本銀行は経済危機や円高との戦いの中で不意に手綱をゆるめた。

【注】Zinsen は Zins(利子・利息)の複数形。hat...ihre Zügel gelockert
   は die Zügel lockern(手綱をゆるめる)の現在完了形で、ここでは
   金融緩和策をとったことを意味する比喩として用いられています。
----------------------------------------------------------------------

 一方、イギリスの「BBC」の公式サイトでは、今回の日銀による追加の金
融緩和策を次のように報じています。

----------------------------------------------------------------------
Japan cuts interest rate further
Japan's central bank has cut its benchmark interest rate to almost zero 
as it tries to stimulate the county's faltering economy.
(出所:http://www.bbc.co.uk/news/business-11474072

【試訳】日本、金利をさらに引き下げ
日本銀行は低迷する日本経済への刺激策を試みる中で、規準金利を実質ゼロに
まで引き下げた。
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核兵器なき世界の実現を願う米国大使に敬意
   2010/9/28 (火) 17:29 by 司馬拓也 No.20100928172912

 9月26日に米国のジョン・ルース駐日大使ご夫妻が長崎市を訪れ、長崎原
爆資料館を見学したあと、「深く心を打たれた。核兵器なき世界の平和と安全
を求め、すべての国とともに働くというオバマ大統領の決意の重要性をさらに
強く認識させてくれた。偉大なこの都市の不屈の闘志を見せてくださったこと
を感謝する」という素晴らしい内容のコメントを読み上げてくださり、また爆
心地公園にある原爆落下中心碑に献花してくださったことに対して深く敬意を
表します。テレビの映像で拝見したルース駐日大使の献花の際の表情に思慮深
い誠意を感じました。

 オバマ大統領も来日される折には、ぜひとも広島・長崎への訪問が実現しま
すようにと強く願っています。


中国の横暴は近隣諸国にとって大迷惑
   2010/9/26 (日) 17:06 by 花丘中道 No.20100926170654

 つくづく思わざるを得ません。中国というのは実に恐ろしい国だ、と。

 うかうかしていたら、国土を丸ごと掠(かす)め取られて、数十年後には経済大国
の日本国でさえも世界の地図上から消滅してしまいかねません。いえ、これは冗談で
もなければ、特に大げさに言っているわけでもありません。

 例えば、「産経新聞」のウェブサイトに2010年9月6日付で掲載された「河添恵子 
国民幸福量アップできるの?」というノンフィクション作家による記事の下記の内容
から見ても、中国の領土的野心の脅威は歴然としています。

 --------------------------------------------------------------------------
  北部の山岳住民によると、「人民解放軍が年に数キロメートルずつブータン側に
 入り込み、掘っ立て小屋を建てていた」という。国境画定交渉は現在も進行中とは
 いえ、ブータン政府が2006年に発表した新国境線で、18%近くも国土が縮小!
 しかもヤクで生計をたてる少数民族は「山を下りてこない(ヤクが殺されて売られ
 た?)」事態にも直面している。
 URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100902/plc1009020804004-n2.htm
 --------------------------------------------------------------------------

 このように、中国はブータンに対してはブータン領土内に無断で入り込み「掘っ立
て小屋を建て」るという作戦で、じわじわとブータンの国土を奪い取りつつあるわけ
ですが、一方、日本に対しては沖縄・尖閣諸島付近の日本領海を侵犯するというやり
方で、日本領海内での中国漁船などの不法な存在をあたかも日常の風景であるかのご
とく既成事実化し、そうした違法な行為を積み重ねていくことで日本の領域を侵食し
ようとしています。「産経新聞」のウェブサイトに2010年9月10日付で掲載された「中
国漁船の領海侵犯が急増 昨年0から今年は14件」と題する記事には、次のように
書かれています。

 --------------------------------------------------------------------------
  沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で、中国トロール船が海上保安庁の巡視船に接触
 し逃走した事件に関連して、今年に入り中国籍の漁船の領海侵犯が急増しているこ
 とが10日、分かった。海上保安庁の鈴木久泰長官が同日、衆院国土交通委員会で
 明らかにした。日中両政府は今回の事件を「偶発事件」として処理しようとしてい
 るが、急増の原因究明が求められそうだ。
  鈴木氏は、尖閣諸島周辺の領海内で海保が外国籍の船舶に立ち入り検査した事例
 が平成20年は2件、21年は6件だったが、今年はすでに21件に上ると指摘。
 中国船に限ると20年に1件、昨年は0件だったが、今年は14件に上っていると
 いう。
  事件が発生した7日には尖閣諸島周辺に約160隻の漁船が集まり、うち約30
 隻が領海を侵犯をしていたことが確認されている。
 URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100910/plc1009102045022-n1.htm
 --------------------------------------------------------------------------

 このような中国籍の船舶による日本領海侵犯については、イギリスの週刊新聞「The 
Economist」のウェブサイトにおいても 2010年9月16日付の「China and Japan: 
Getting their goat」と題する記事で、日本の「防衛白書」をもとに、次のように報
じられています。

 --------------------------------------------------------------------------
    A defence white paper released in Tokyo earlier this month noted   that 
  in March, six Chinese vessels, including a destroyer, had passed through 
  Japanese waters on their way into the Pacific Ocean. A month later, ten 
  ships, including submarines and destroyers, followed the same route before 
  conducting apparent exercises near Japan's Okinotori island. Chinese 
  helicopters buzzed Japanese destroyers monitoring the vessels. 
  URL:http://www.economist.com/node/17049121
 --------------------------------------------------------------------------

 「The Economist」のウェブサイトでは、さらに2010年9月24日付の「China's spat 
with Japan: Out but not over」と題する記事において、尖閣諸島付近での漁船衝突
事件で中国が示した理不尽な反応について、次のような論調で中国に対する警戒感と
不信感を表しています。

 --------------------------------------------------------------------------
    But the ferocity of the Chinese response has harmed China ultimately, 
  by undermining confidence in China as a responsible stakeholder in the 
  region.
  URL:http://www.economist.com/blogs/asiaview/2010/09/chinas_spat_japan
 --------------------------------------------------------------------------

 上記の引用文では、ferocityという語が用いられていることに注目したいと思いま
す。また、同記事には、次のようにも書かれています。

 --------------------------------------------------------------------------
    China's response seemed to take an especially nefarious turn when it 
  apparently suspended its export of rare-earth minerals, which are vital to 
  making electronics components used in everything from handheld gadgets to 
  cars.
  URL:http://www.economist.com/blogs/asiaview/2010/09/chinas_spat_japan
 --------------------------------------------------------------------------

 この部分では、nefarious という語が用いられていることが目を引きます。このよ
うな中国の報復措置は、良識ある海外メディアでは、まさしく「不埒(ふらち)千万な」
行為と認識されているのが分かります。もっとも、中国政府は、その後、レアアース
の禁輸を指示した覚えはないと否定していますが、それに対して、同記事は次のよう
に、事実上の禁輸につながる中国政治の独特のからくりがそこに存在することを、さ
すがに見抜いています。

 --------------------------------------------------------------------------
    On September 23rd China emphatically denied that it is blocking exports. 
  And this may be true: there probably isn't a formal directive. But in a 
  country where informal rules abound, exporters know that it can pay to 
  withhold shipments--in solidarity with a government that is angry at its 
  neighbour.
  URL:http://www.economist.com/blogs/asiaview/2010/09/chinas_spat_japan
 --------------------------------------------------------------------------

 したがって、同記事に書かれているように、今回の尖閣諸島付近での漁船衝突事件
を巡る一連の中国政府の異常な対応が、国際社会から次のような疑念をもたれるのは、
ごく自然なことだと思います。

 --------------------------------------------------------------------------
    Its actions have called into question its maturity as a responsible 
  international actor and undermined its pretensions to a "peaceful rise".
  URL:http://www.economist.com/blogs/asiaview/2010/09/chinas_spat_japan
 --------------------------------------------------------------------------

 このように、あからさまに牙をむき始めた中国の領土的野心に対して、ASEAN
をはじめとするアジアの近隣諸国も、非常に警戒心を強めています。今後、こうした
中国の脅威にどう立ち向かっていくべきかが、アジアの近隣諸国にとって大きな課題
となっています。

 「産経新聞」のウェブサイトに2010年9月25日付で掲載された「インド、“中国脅
威論”を裏付ける」と題する記事では、インドもまた横暴な中国の振る舞いがもたら
しつつある世界の安定に対する悪影響について深い憂慮の念を抱いていることが読み
取れます。

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  【ニューデリー=田北真樹子】日本が中国人船長を釈放したことについて、イン
 ドでも「日本は中国に屈した」との見方が広がっている。また、中国との間で国境
 問題を抱えるインドにとって、漁船衝突事件での中国の出方は、“中国脅威論”を
 改めて裏付ける材料の一つと受け止められている。
  25日付のヒンドゥスタン・タイムズ紙は社説で、日本が船長を逮捕したことに
 対する中国の反応を、「狂乱に近い」と表現。その上で、「将来の大国(中国)の
 成熟度は、急成長する力とは反比例しているとの感触をさらに強くさせた」とみる。
 そして、中国があまりにも多くの国と対立していることから、世界の安定に対する
 中国の姿勢の見極めが必要になると指摘する。
 URL:http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100925/asi1009252116002-n1.htm
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 尖閣諸島付近での漁船衝突事件以後も、多くの中国籍の船舶が日本の領海内に遠慮
会釈なく侵入し、好き勝手に航行していると報じられています。そういう事態を目の
当たりにし日々脅威にさらされている石垣島の皆さんが、今回の事件に対する日本政
府の腰砕けに愕然としておられることは無理もないことだと思います。

 われら日本人は、お人好しで親切であることを一つの特徴としています。ですから、
鳩山前首相の口から「友愛の海」という呼びかけもなされたのでしょう。しかし、そ
の友愛への希望が打ち砕かれつつある現実も、直視しなければなりません。あまりに
もお人好しでは、自らの国土を守ることができないという厳然たる事実を、われら日
本人もアジアの近隣諸国の人々も、いま目の前に突きつけられています。


核なき世界の実現を願う英国大使に敬意
   2010/9/20 (月) 15:36 by 司馬拓也 No.20100920153601

 9月18日に被爆地・長崎を訪問された英国のディビッド・ウォレン駐日大
使が、爆心地公園にある原爆落下中心碑に献花し、核なき世界の実現へ向けて
軍縮と核不拡散のメッセージを発してくださったことは、たいへん心強いこと
であり、その聡明な思慮と真摯な姿勢に対して深く敬意を表します。

 私も十数年前に長崎原爆資料館や爆心地公園などを訪れたことがありますが、
そのとき改めて、人類史上再び核兵器が使用されることは決してあってはなら
ないと思いました。世界のすべての人々に呼びかけて核なき世界の早期実現を
目指し、今こそ一致協力して力強く前進していくべきときです。


詩集『群青』より「俗世」「秋の虫」
   2010/9/4 (土) 18:22 by 司馬拓也 No.20100904182241

  「俗世」
   あれも捨て
   これも捨て
   捨て去って
   まだ残る
   執着の海
   まだ増える
   雑念の山

  「秋の虫」
   なぜすだく秋の虫
   その涼しげな音色
   心に響く
   その寂しげな音色
   胸に染みる


核兵器のない世界へ向けて
   2010/8/15 (日) 17:41 by 司馬拓也 No.20100815174145

 以下は、原爆が投下されてから65年目を迎える広島と長崎について、ドイツ
のベスターベレ外相(Bundesaußenminister Dr. Guido Westerwelle)が去る
8月5日にベルリンで語ったもので、ご参考までに拙訳を付けました。なお、
ドイツ語の原文は駐日ドイツ大使館のホームページに掲載されています。

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Das unfassbare Leid von Hiroshima und Nagasaki ist eine Mahnung für 
die Menschheit: Wir müssen alles daran setzen, damit eine Welt ohne 
Atomwaffen nicht nur Vision bleibt, sondern Wirklichkeit wird. US-
Präsident Obama hat in seiner Prager Rede hierfür einen klaren Weg 
vorgegeben.

【試訳】広島と長崎が受けた想像を絶する苦しみは人類への警告です。私たち
は、核兵器のない世界というものを単なる未来像にとどめるのではなく、現実
のものとするために全力を尽くさなければなりません。オバマ米大統領はその
ため、プラハ演説においてはっきりとした道筋を示しました。

Die Abrüstung von Atomwaffen und die immer weitere Reduzierung ihrer 
Rolle in Nuklearstrategien sind ein Gebot unserer Zeit. Das ist eine 
Deutschland und Japan seit langem verbindende Grundüberzeugung.

【試訳】核軍縮と、核戦略における核の役割のさらなる縮小は、現代の要請で
す。また、それは日独両国を長い間結びつけてきた基本的信念です。

Deshalb setzen wir uns auch künftig zusammen mit Japan und weiteren 
Partnern konsequent für Fortschritte bei der nuklearen Abrüstung ein. 
Das gilt insbesondere für die Umsetzung der bei der 
Überprüfungskonferenz zum Nichtverbreitungsvertrag 2010 erreichten 
Ergebnisse.

【試訳】そのようなわけで、私たちは今後とも日本やさらに多くの仲間の国々
とともに一貫して核軍縮の前進のために力を尽くします。それは、とりわけ
2010年の核拡散防止条約再検討会議において達成された成果の実施について言
えることです。

(出所:http://www.tokyo.diplo.de/Vertretung/tokyo/de/Startseite.html
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鮮烈な言葉
   2010/8/7 (土) 22:03 by 司馬拓也 No.20100807220312

 世の中には、何度見ても、何度聞いても、なかなか覚えられない言葉もあれ
ば、たった一度見聞きしただけで忘れられなくなってしまう言葉もあるもので
す。そんな幾多の言葉の群れの中で、私の記憶に鮮烈に残っているものの一つ
が次の言葉です。

   「空気の湿り気に文明を感じた。」

 これは昔、私が参加していたパソコン通信の掲示板上に書かれていた言葉で
す。筆者は日本人医師で、フランス経由でアフリカ大陸北部に位置するアルジ
ェリアに渡り、乾燥した風土の中で何年か医療活動に携わっていたそうです。
そのあと、再び飛行機に乗って地中海を越えフランスに戻ったときに、降り立
った空港で大地を覆う湿り気を帯びた空気に触れて、そこに文明を感じたとい
うのです。

 ちなみに、アルジェリアという文字を見て、すぐに私の脳裏をよぎったのは
子どもの頃に聞いた流行歌でした。女性歌手がアンニュイと哀感を漂わせなが
ら「ここは地の果て アルジェリヤ……」と歌っていたのが、なぜか耳朶(じ
だ)に残っていて、そのせいか、アルジェリアは、遠い、遠い、最果てにある
何か寂れてほの暗くエキゾチックな土地であるかのようなイメージが私の胸の
内に形づくられました。

   「カスバの女」
   大高ひさお作詞・久我山明作曲

   涙じゃないのよ 浮気な雨に
   ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
   ここは地の果て アルジェリヤ
   どうせカスバの 夜に咲く
   酒場の女の うす情け
   (後略)

 アルジェリアの首都アルジェがある北部の地中海沿岸は、雨の量が比較的多
いので、空気はそれほど乾いていないかもしれません。しかし、南部にはサハ
ラ砂漠があり、国土の大部分を砂漠が占めているため、全体として見た場合の
アルジェリアは、概ね乾燥地帯といっていいでしょう。

 ぎらぎらと太陽が照りつける空の下で、乾燥した空気さらされながら喉の渇
きを覚える日々を過ごしたアルジェリアでの生活。そんな厳しい生活環境に別
れを告げて、フランスに戻り、潤いのある空気を胸一杯に吸い込んだとき、お
そらくその日本人医師は深い安堵感を覚えるとともに、その空気のあり様その
ものがヨーロッパの近代文明を成立させる下地になったことを直感したのでし
ょう。


奇妙な言い回し
   2010/6/14 (月) 23:05 by 司馬拓也 No.20100614230504

 先日出席した某説明会でのこと。「…してほしいかと思います」。演壇に立
った講師の方は、冒頭からそのような言い方をされました。それは私にとって、
かつて耳にしたことのない言い回しだったので、どうも妙な感じがしました。

 その後も講師の方は話の中で何度も「…してほしいかと思います」を連発さ
れたので、話の内容そのものよりもその言い回しの方が気にかかって仕方があ
りませんでした。

 普通なら「…してください」とか「…していただければと思います」といっ
た言い方をする部分で、その講師の方は頑なまでに執拗に「…してほしいかと
思います」を用いられ、その言い回しにおいて少しもブレることがありません
でした。

 そんなわけで、講演者の話を聞きながら、そもそも「…してほしいかと思い
ます」という言い回しは、どういう心理から発するものかと考えました。

 端的に結論から言ってしまえば、それは日本人のお家芸とも言ってよい「ぼ
かし」の心理だろうと思います。

 たとえば、「何日休暇を取りましたか」という質問に対して、日本語では、
「三日取りました」ときっかり答えるよりも、間に「ほど」を挟んで「三日ほ
ど取りました」とする方が好まれる傾向があります。そこでは「ほど」という
語がふんわりとした「ぼかし」の効果を発揮して、答えの語調から「ぎすぎす
した感じ」や「ぶっきらぼうな感じ」を取り除き、やわらかな印象を与えるた
め、他者との対立や摩擦をなるべく避けようとする一般的な日本人の心理に適
しているように思われます。

 そう考えると、確かに「…と思います」と言うよりも、「…かと思います」
と婉曲的な言い方をした方が、「そうでない可能性も否定しませんよ」という
含みを持たせることができ、相手に対して押しつけがましくない印象の「ぼか
し」の表現になるでしょう。

 しかし、「…してほしいかと思います」という言い回しは、どうも変です。

 「…してほしいと思います」ならばいいのですが、「…してほしいかと思い
ます」というのは、「…してほしい」という自分自身の要求を述べているにも
かかわらず、その後に「かと思います」と続けることによって、「そうでない
可能性も否定しませんよ」と言っていることになります。つまり、自分自身の
意志を述べながらも本当に自分の気持ちがそうであるかどうか疑問の余地が残
されていると表明しているわけで、その発言を聞く側にとっては、「…してほ
しいのかどうか、あなた自身の中ではっきりしてから言ってほしい」と思わざ
るを得ません。なぜなら、あとになってから「…してほしいかなぁ〜、どうか
なぁ〜って思ったけれども、はっきり…してほしいって言ったわけじゃないか
ら、私の発言に基づいて他の人がどう行動したって自分の責任じゃない」など
と言われても困るからです。


「iPad」発売前夜、書籍業界に風雲急
   2010/5/27 (木) 19:00 by 海音 No.20100527190007

 明日、つまり5月28日に日本国内での販売が開始される新型多機能情報端末
「iPad(アイパッド)」。東京・銀座のアップルストアの前には、すでに27日
朝から「iPad」の販売開始を待つ客が並んでいると報じられています。

 米国で先行販売されて大ヒット商品となった「iPad」は、日本国内でも画期
的なヒット商品となることは、間違いないでしょう。そして、機能の面でも価
格帯の面でも、これまでの「ネットブック」に対して激しい競合商品となるこ
とはほぼ確実と見られます。

 「iPad」の発売を目前にした今日、ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞
社の4社は「iPad」の衝撃に対抗すべく、共同出資して電子書籍端末向け配信
会社を設立することを発表しました。この4社連合の旗艦となる電子書籍端末
は、ソニーが現在欧米で展開している「リーダー」とのことです。

 歴史の表舞台への「iPad」の登場は、まさに新型多機能情報端末の戦国時代
の到来を告げる嚆矢(こうし)と言えるかもしれません。その中で、情報端末
メーカーと書籍出版業界の離合集散、合従連衡が華々しく繰り広げられていく
ことでしょう。

 一方、小さな書店は、こうした新型多機能情報端末の普及によって、時代の
荒波に呑み込まれてしまうのではないかと懸念されます。


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