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時代の偏見
   2016/12/10 (土) 17:27 by 北松拓也 No.20161210172700

 何日か前にテレビのニュース番組で、現在映画館で上映されている長編アニ
メ映画「君の名は。」の興行収入が、200億円を超えたと報じられました。こ
れは日本映画史上、宮崎駿監督の長編アニメ映画「千と千尋の神隠し」に次ぐ
歴代2位の興行収入だそうで、まさしく大ヒットと言えるでしょう。

 ただ、私がこの種のニュースを聞いていつも気になっていることは、こうい
った芸術作品の一般的な評価が金銭の額で伝えられることです。聞いている視
聴者の側からすれば、「これだけいっぱいお金を稼いでいる作品だから価値が
あるんだ」といった観念を知らず知らずのうちに脳みそにすり込まれて、私た
ちが物を見るときの物差しが無意識のうちに常にそろばん勘定になってしまう
ことが危惧されます。

 これに似たものとして、例えば、プロ野球の一つの球団が優勝した場合に推
定される、いわゆる「経済効果」の報道があります。どこそこの球団が優勝す
ると、その経済効果は○○億円になると予想される、といった報道です。これ
はあたかも、それだけの経済効果があるからこそ、その球団の優勝はすばらし
いんだ、と評するかのような錯覚を人々の心の中に生むのではないでしょうか。

 その結果、金銭に換算できるものだけが価値があり、また市場で売れている
ものだけがすばらしい、という物の見方につながるおそれがあると、私は考え
ています。

 数値化もできず、目にも見えず、どんなにお金を積み上げても買えない物に
こそ、真の価値があるという先哲の叡智と教えを、このような時代風潮の中で
私たちの多くが忘れつつあるのではないかという気がしてなりません。
                                 拓也


IR法案に反対
   2016/12/8 (木) 23:24 by 北松拓也 No.20161208232429

 IRとは Integrated Resort の略語で、カジノを含む「統合型リゾート施
設」を意味します。この施設を日本国内で整備することを合法化する法案が、
僅か5時間33分の審議をしただけで、一昨日行われた衆議院本会議の採決で可
決され、現在、参議院でこれを審議しているところです。

 この法案は、今までは日本で違法とされてきた賭博を合法化して人々を賭博
場に誘い、それらの人々を不幸にすることによって得られた金銭で裕福になる
ことを成長戦略の一つとしようというもので、これがアベノミクスの政策とし
て掲げられています。こういう法案が認められていいものでしょうか。本来の
日本人のあるべき姿、あるいはモラルという観点から、これは明らかに間違っ
た料簡と言えないでしょうか。

 江戸時代に改革者として偉業を成し遂げた上杉鷹山も二宮金次郎(尊徳)も、
このような法案に賛成することはないでしょう。吉田松陰の大和魂に照らして
みても、こういうものがよいものであるはずがないと思います。「松下村塾」
の隣に果たしてカジノをつくれるかと問えば、言うまでもなく「否」であるに
違いありません。

 カジノをつくることの弊害は、マスコミですでにいくつも指摘されている通
りです。

 もし賭博を合法化するならば、以前にプロ野球選手やバドミントンの選手が
賭博を行ったために処分を受けたことについては、どう解釈すればよいのでし
ょうか。モラル上は何らの問題もなかったということになってしまうのではな
いでしょうか。なぜなら、同じ日本国内にあるカジノで行う賭博がモラルとし
て許されるとするならば、カジノの外で行われる賭博に対してもモラルという
点から咎めることはできないはずだからです。もしもカジノの内と外で別のモ
ラルを適用するというならば、それは単にご都合主義の法律ということになる
でしょう。

 モラルを失った社会はいずれ滅びます。そうなってはお天道様に申し訳ない
と思うのが、大方の日本人の意識だと思います。そこにこそ長い歴史の中で培
われてきた我ら日本国民の本当の底力が秘められていると言えるのではないで
しょうか。
                                 拓也


「カルテス・リヒト」と「ヴァルメス・リヒト」
   2016/12/3 (土) 00:09 by 北松拓也 No.20161203000909

 一般にドイツ人は家庭生活の中で照明器具を使うときに、蛍光灯のような青
白い明かりを kaltes Licht(カルテス・リヒト=冷たい光=英語では cold 
light)と呼んで、あまり好まないという。kaltes Licht は勉強や仕事のとき、
あるいは病院で使うための照明と考えているようだ。

 それに対して、ドイツ人が warmes Licht(ヴァルメス・リヒト=温かい光
=英語では warm light)と呼ぶのは、白熱電球のような色調の明かりである。
特に、食事のときには warmes Licht を用いるのが普通らしい。

 私も家の中では warmes Licht をある程度の割合で好んで使ってはいるが、
コストパフォーマンス上の配慮もあって、kaltes Licht を使うことも多く、
ドイツ人ほどには warmes Licht に対する執着心はない。
                                 拓也


寒さと暑さ
   2016/12/2 (金) 23:45 by 北松拓也 No.20161202234509

 十代の頃には18度の気温でも長袖のワイシャツを一枚着ていれば、それほど
寒さを感じなかったような気がするが、今はそれどころではない。その上にベ
ストや上着を重ね着しなければ肌寒く感じる。昔のことは夢のまた夢だ。

 近頃は寒さに弱くなったことを痛感する。それでも蒸し暑い夏よりはまだま
しだ。何年か前に、俳優で歌手の加山雄三氏が或るテレビ番組の中で「暑いよ
り寒い方が絶対にいい」と言っておられたが、私も同感である。
                                 拓也


冬晴れ
   2016/12/2 (金) 18:30 by 北松拓也 No.20161202183004

 今年は珍しく11月24日に都心で初雪が降った。気象庁の発表によれば、都心
で11月に初雪が観測されるのは昭和37年以来、54年ぶりとのことだった。そう
いうこともあって、今年は平年よりもだいぶ早い冬の訪れとなった。

 ここ関東平野の南部では、木々の紅葉が今はもうピークを過ぎ、街路樹の枝
から散った枯れ葉が風に舞っている。12月21日の冬至まで20日足らずとなり、
午後5時を過ぎれば、外の景色は深々と夕闇に包まれる。
                                 拓也


早くも12月
   2016/12/1 (木) 23:53 by 北松拓也 No.20161201235327

 12月になった今日のテレビのニュース番組で、今年の新語・流行語大賞は、
「神ってる」に決まったと報じられた。この言葉は、プロ野球のセリーグで今
年優勝した広島カープの神がかったような選手の好プレーに対して、賛辞とし
て用いられたもので、「神がかってる」を縮めた言い方だそうだ。

 広島カープの優勝は、オバマ大統領がアメリカの現職大統領として戦後初め
て広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花したことと併せて、広島に縁のある今年の
特筆すべき出来事として永く人々の記憶に残るのではないだろうか。
                                 拓也


イギリスのEU離脱問題など
   2016/10/29 (土) 15:51 by 北松拓也 No.20161029155149

 昨日、ドイツの『シュピーゲル』誌のホームページに掲載されていた記事に
よれば、イギリスのトニー・ブレア元首相が、EU残留か離脱かを問う国民投
票をもう一度行うべきだとの提案をしたという。ブレア元首相は、イギリスに
とってEU離脱は「katastrophal(破滅的な)」(英語で catastrophic)と
評しているそうだ。国民投票を再度実施しようという元首相の提言がイギリス
国内でどの程度影響力を持つのか、今後の行方を見守りたい。

 このことと少し関連するが、最近読んだ川口マーン惠美『ヨーロッパから民
主主義が消える 難民・テロ・甦る国境』(PHP新書)はたいへん興味深く、
EUが抱える諸問題やヨーロッパの現状をその地理的、歴史的背景とともに概
観する上で大いに参考になった。この著者の本を読むのはこれが4冊目だった
が、今までの中で一番の力作だと思った。

 もしもイギリスが先の国民投票の決定を翻して、EU残留へと舵を戻したと
しても、EU加盟諸国の様々な利害が衝突し、またシェンゲン協定で認められ
た「ヒト・モノ・カネ・サービス」の国境を越えた自由な移動が危うさを増し
ている状況と向き合わなければならないだろう。高い理想を掲げ大きな希望を
託したEUという壮大な実験が、加盟諸国の同床異夢の中で行き詰まりの危機
にあるということは、そのままヨーロッパ型の民主主義及び資本主義の危機と
言ってよいと思う。さて、この混沌の先にあるものは何か。
                                 拓也


アメリカ大統領選挙の秋
   2016/10/27 (木) 18:08 by 北松拓也 No.20161027180850

 世界中が注目しているアメリカ大統領選挙まであと半月足らずとなった。民
主党及び共和党をそれぞれ代表する二人の候補者のうちどちらが当選するかは、
アメリカの主要なメディアの間でほぼ見通しがついてきたようだ。

 今回のアメリカ大統領選挙の模様をマスコミの報道を通じて垣間見た範囲で
言えば、アメリカの国力がずいぶん低下したのではないかという印象を受ける。
両候補者とも有権者に訴える政策や考え方が内向きになっている。候補者同士
の3度にわたるテレビ討論会では、政策論争そっちのけで互いに非難合戦、中
傷合戦を繰り広げることに終始し、視聴者の多くを唖然とさせたと伝えられて
いる。

 二人の候補者のうち、どちらが大統領になったとしても、アメリカの同盟国
にとっては経済面でも安全保障面でも厳しい時代が待ち受けているのではない
かという懸念が強まっている。これからの世界情勢はますます混沌として、先
が見えにくくなることが予測される。こうした世界の流れを背景に、今後、日
本は国際社会の中でどのようにバランスを取り、平和と繁栄を維持してゆけば
よいのか、その力量と真価が問われていると思う。
                                 拓也


「モロトフカクテル」という語の由来
   2016/10/25 (火) 19:06 by 北松拓也 No.20161025190632

「Molotov cocktail」という語を初めて目にしたのは、もうずいぶん昔のこと
だが、確か英字新聞の記事の中だったように記憶している。これが「火炎瓶」
という意味であることは、そのときに文脈から推測できた。が、念のため辞書
を引いてそうであるということを確認した。酒を想像させる「カクテル」とい
う言葉が「火炎瓶」という語を構成しているのは意外な感じがしたが、その由
来について詮索するほど語源の追求に熱心ではなかった。

 その後も、この語には何度か出会った覚えがあるが、やはりその由来を調べ
るほどの探究心を興すには至らなかった。

 ところが最近、テレビの放送大学の番組で高橋和夫教授の話を聞いて、「モ
ロトフカクテル」という語が使われるようになった理由が分かった。それはフ
ィンランドの苦難の歴史にかかわることだった。

 スターリンが政権を握っていた時代のソビエト連邦で外相を務めていたモロ
トフが、フィンランド政府に対してカレリア地方を割譲しろという強引な要求
を突きつけた。フィンランド政府はこれを拒絶した。すると、ソ連はフィンラ
ンドからカレリア地方を武力でもぎとろうと、1939年11月にフィンランドに侵
攻を開始した。これが歴史的に「冬戦争」と呼ばれる激しい戦いとなった。

 ソ連は多数の戦車でフィンランド領内に攻め込んできたが、フィンランド軍
は戦車を持たず、ソ連軍に対して正攻法で太刀打ちできるほどの武器も装備も
なかった。それでも、銃を携えたフィンランドの兵士たちは雪の中で素早く動
けるようにスキーを履き、また雪の中で自らの動きを敵の目から見えにくくす
るために皆白い服を着るなどの工夫をして懸命に戦った。しかしそれだけでは、
ソ連軍の戦車隊に対抗することはできない。そこで用いたのがハイテク兵器と
はほど遠い、火炎瓶であった。

 これならば、たいしてお金もかからず、高度な技術がなくても簡単に作れた
のだろう。この火炎瓶をソ連軍の戦車に投げつけたところ、効果は非常に大き
かったようだ。これが、ソ連の外相モロトフにご馳走したカクテルということ
で、「モロトフカクテル」と呼ばれるようになったらしい。

 フィンランドの人々は、小さな兵力と貧しい装備ながらも、この「冬戦争」
で勇敢に戦い、強大なソ連軍を撃退することに成功した。しかし、その後1941
年に始まったいわゆる「継続戦争」では、「モロトフカクテル」に対する防御
力のある戦車を開発したソ連軍に敗れ、賠償としてカレリア地方を奪われるこ
とになってしまった。

 だが、フィンランドの悲しい歴史を記憶に留める「モロトフカクテル」とい
う語は、今後も英語の中で永く使い続けられるのではないかと思う。

 ちなみに、『ランダム英語辞典』を見ると、「Molotov cocktail」の項目の
ところに、こう書かれていた。「火炎瓶:スペイン内乱の時,敵の戦車に火をつ
けるために用いたのが始まり.[1939.V.M.MMolotov の名にちなむ]」と。この
説明が正しいとすると、「Molotov cocktail」そのものはスペイン内乱の時に
初めて使われ、しかしその名称はフィンランドの「冬戦争」を契機として使わ
れ始めたということになるのであろうか。
                                 拓也


司馬遼太郎、没後20年
   2016/10/23 (日) 16:59 by 北松拓也 No.20161023165914

 数日前のことだが、買い物に出たついでに近所の小さな書店に立ち寄ったと
ころ、『没後20年 司馬遼太郎の言葉2』(朝日新聞出版)という本が目に留
まった。ムック形態の本だ。手にとってぱらぱらとページをめくってみると、
司馬遼太郎の文学作品や人柄を敬愛する人たちが書いたものを集めた本のよう
だった。司馬遼太郎自身の講演録や対談なども収録されていることが分かった。
中の文章をあちこち拾い読みして、とても心地よい感じがしたので、買って帰
った。が、その後まだ全体に目を通してはいない。

 今年は夏目漱石の没後100年に当たる。さらにはシェークスピアの没後400年
でもある。それと比べれば、司馬遼太郎の没後20年というのは歳月がだいぶ浅
いけれども、私の個人的な意識としては、もうあれから20年も過ぎたのかとい
う感慨に打たれる。

 思い返せば、20年前の1996年は、ちょうど Windows 95 が発売された翌年で
あり、私がそれまで使用していたパソコンを、アメリカ製の DOS/V マシンか
ら Windows 95搭載の富士通製 FMV-DESKPOWER に買い換えた年である。それば
かりか、インターネット上に初めて私的なホームページを開設した年でもあっ
た。

 そして、あれから20年後の今はと言えば、富士通がパソコンの製造部門を中
国企業に売却すると発表している。この20年の間に、スマホ、タブレット、人
工知能(AI)、自動運転、ドローンなど、様々な新しい技術が目覚ましい進歩
を遂げ、1996年当時と現在とでは社会状況がすっかり変わってしまった。まさ
に隔世の感があると言っても過言ではない。20年という歳月はこれほどのもの
なのか。それにしても、あまりにも変化のスピードが速すぎると思うのは私だ
けであろうか。
                                 拓也


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