ことば・翻訳・そして文化
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NHKテレビの語学番組の移り変わり
   2017/6/10 (土) 18:46 by 北松拓也 No.20170610184634

 現在、NHKテレビで放映されているドイツ語、フランス語、スペイン語、イタ
リア語などの語学番組は、「旅する・・・語」という題名になっています。こ
れらは、2015年までは「テレビで・・・語」という番組名でした。さらにさか
のぼれば、これらは2007年まで「・・・語会話」という題名で放映されていま
した。

 このように番組名が変わるごとに、その内容にも変化が感じられました。
「・・・語会話」の時代には、その言語の文法・語法的な解説や、言語の背景
にある文化や考え方についての紹介など、教養的な面が多く盛り込まれていた
と思います。それが、「テレビで・・・語」の時代(2008〜1015年)になると、
旅行会話が占める割合が拡大されたという印象がありました。そして、現在の
「旅する・・・語」では、その番組名に端的に表されているように、現地ロケ
によるその土地の生活や歴史や食べ物や建築物などの紹介を含む旅行会話を全
面的に押し出した番組作りになっています。

 こうしたNHKテレビの語学番組の変遷は、時代や社会環境の変化によってもた
らされたものだろうと思います。特に、英語以外の外国語は、昔ほど重要でな
くなってきているという日本人の意識の変化が背景にあると思います。また、
それと連動するかのように、大学教育において第2外国語を必修科目とするとこ
ろが少なくなったという話を耳にします。これでは、英語以外の外国語を学ぼ
うという意欲を持った青少年が減ってしまうのは避けられません。

 そんなわけで、今は少子高齢化が進行する時代ということもあって、NHKテレ
ビの英語以外の語学番組を視聴する人たちの年齢層の中心も、若年層から中高
年層へと移っているのだろうと推察されます。そこで、中高年層の語学の需要
という観点からすれば、語学的・教養的な要素よりもむしろ外国への観光先で
実践的に活用できる旅行会話をふんだんに盛り込んだ番組作りが求められるよ
うになったのでしょう。
                                 拓也


春分の日が過ぎてサクラ咲く
   2017/3/21 (火) 23:11 by 北松拓也 No.20170321231109

 春分の日だった昨日は、ぽかぽか陽気でしたが、今日は一転して朝から夜ま
で雨が降り続き、気温もぐーんと下がりました。しかし東京では本日、気象庁
がサクラ(ソメイヨシノ)の開花を発表しました。これは平年よりも5日早い
開花だそうですが、きっと一昨日から昨日にかけての暖かな日差しが桜のつぼ
みのドアをノックして開かせたのでしょう。
                                 拓也


大相撲三月場所と横綱
   2017/3/3 (金) 18:09 by 北松拓也 No.20170303180947

 大相撲春場所(大阪場所)が3月12日(日)から始まります。そこで注目され
るのは、何と言っても新横綱の稀勢の里でしょう。

 本人は、先場所の終了後に横綱昇進が決まり、祝賀会をはじめとして様々な
催しや行事に出席したり、マスコミの取材に応じるなど、忙しい日々が続いて
いたはずですから、稽古の時間が十分に取れなかったかもしれません。しかし、
そんな中でもその地位にふさわしい成績が観客から期待されるのが横綱です。

 一方で将来有望な若手力士が次々に台頭してきている今、大相撲はますます
盛り上がりを見せています。場所中はそれぞれの力士の対戦はもちろん、満員
札止めが何日あるかというのも見所の一つです。ちなみに、昨年の春場所では
15日間すべて満員札止めになっています。

 ところで、英語で「横綱」と言う場合ですが、日本語の発音をそのまま写し
た a yokozuna のほかに、a grand champion (sumo wrestler) あるいは a 
sumo wrestler of the highest rank といった言い方があります。
                                 拓也


「財布の紐が固い」という表現について
   2017/2/27 (月) 18:42 by 北松拓也 No.20170227184240

 今月の24日に日本で初めて「プレミアム・フライデー (Premium Friday)」と
いうものが実施されました。これは今後、毎月最後の週の金曜日に実施される
予定だそうで、その日には午後3時頃に勤務先の仕事を切り上げ、皆で街に繰り
出して飲食やショッピングを楽しもうという行事です。デフレ脱却を目指す現
在の政権が、消費の拡大と働き方改革の一石二鳥を狙って推奨しているのがこ
の行事ですが、果たして日本社会に定着するかどうかはまだ分かりません。

 さて、実際の一般家庭の消費支出はといえば、最近減少しているとの報道が
ありました。こういう場合によく用いられるのが、「財布(さいふ)の紐(ひ
も)が固い」という表現です。現在市販されているほとんどの財布には紐など
は付いていないはずですが、不思議なことに、国民の消費が伸び悩んだときや、
店でお客さんがなかなか商品を買ってくれないときなどに、この表現が今もご
く普通に使われています。

 おそらく、この場合の「財布」は「巾着(きんちゃく)」のことなのだろう
と思います。巾着ならば、みな紐が付いていて、紐を緩(ゆる)めることで、
中に入っているお金を取り出すことができます。逆に「紐が固い」のであれば、
中にあるお金が出せないので、買い物をしないことになります。

 こう考えた上で、「財布の紐を締める」とか「財布の紐を緩める」という表
現においても、これらの財布は巾着のことなのだと解釈すれば、納得がいきま
す。

 ちなみに、英語ではこの「財布の紐」についてどう表現するのかと言えば、
和英辞典に次のような用例が載っています。

 彼女は財布のひもが固い
 She is frugal with her money.(ジーニアス和英辞典)

 財布のひもを締める[緩める]
 tighten [loosen] one's purse strings.(ニューセンチュリー和英辞典)

 上の1番目の例にある be frugal with 〜は「〜を倹約する、節約する」と
いう意味で、その反対は be wasteful with 〜(〜を浪費する)になります。
一方、2番目の例の英語表現は、日本語をほぼ直訳したものになっています。
なお、purse は「財布」のうちでも「小銭入れ、がま口」を指し、wallet(札
入れ)とは区別されます。
                                 拓也


「アヒンサー」と「アパシー」
   2017/2/24 (金) 00:46 by 北松拓也 No.20170224004601

 イギリスの植民地時代のインドで、ガンディーが「非暴力・不服従」をモッ
トーとして行ったインド独立のための抵抗運動はよく知られています。「非暴
力」は古代インドに起源をもつ宗教(ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教)の重
要な教義で、原語のサンスクリット語では「アヒンサー (ahimsa)」といいます。
この語は「…がない」という否定の意味の「ア(a)」と、「殺生、傷害」という
意味の「ヒンサー(himsa)」との組み合わせで出来ています。つまり、ahimsa 
とは「殺生しないこと、傷害しないこと」なので、「非暴力」ということにな
ります。

 これと同じように、語の頭に「ア(a)」を付けて否定の意味をもたせた言葉は、
ギリシャ語から借用された英単語にも見られます。

 たとえば、「政治的無関心」は、「ポリティカル・アパシー」あるいは単に
「アパシー」とカタカナ語で言われますが、これは英語の political apathy 
です。このうち「無関心」という意味を表している apathy は、「…がない」
という否定の意味の「ア(a)」と、「感情、感動」といった意味の「パシー
(pathy)」の結合により成り立っています。なお、apathy は、ギリシャ語の 
aptheia(苦しみに対する無感覚)が語源で、それが英語に取り入れられたもの
です。

 このように、インドのサンスクリット語から来ている「アヒンサー」の「a」
とギリシャ語由来の「アパシー」の「a」は、どちらも語の頭に付いて「…がな
い」という否定の意味を表わしているという点で共通しています。これらの言
語が、ともにインド・ヨーロッパ語族に属するものであることの特徴の一つが、
ここに見て取れると思います。

 ついでながら、上記のような否定の意味の a が語頭に付いた英単語としては
ほかに、amoral(a + moral = 道徳観念のない、道徳とは無関係の)、atonal
(a + tonal = (音楽で)無調の、調性のない)、achromatic(a + chromatic =
 無色の、色消しの、収色性の)などがあります。
                                 拓也


二種類の理念について
   2017/2/18 (土) 00:15 by 北松拓也 No.20170218001551

 今週の月曜日の夜、NHKのEテレの番組「100分 de 名著」で、ガンディーの
『獄中からの手紙』の第2回が放送されましたが、その中で18世紀のドイツの
哲学者、エマヌエル・カントが考えた「二種類の理念」についての説明があり
ました。要するに、理念を実現するには二つの段階があるということですが、
それを聞いて「なるほど」と思いました。その「二種類の理念」とは、次のと
おりです。

  (1) 統整的理念
  (2) 構成的理念

 (1)に使われている「統整」という言葉は見慣れないせいか、やや難しく感じ
られますが、「統整的理念」というのは抽象的で大きな理念を意味し、たとえ
ば「世界の永遠平和を実現しましょう」というような類いのものです。こうい
う大きな枠組みの理念を目標として掲げることは、確かに重要なことです。し
かし、それだけではあまりにも大きくて抽象的なために、一足飛びにそれを実
現することは困難です。

 そこで必要になるのが、それを実現するための構成要素となるような具体的
なものにかかわる理念です。それが(2)の「構成的理念」というわけです。した
がって、「世界の永遠平和を実現しましょう」という「統整的理念」を実現す
るための「構成的理念」は何かということで考えるならば、たとえば「各国が
国連の場で国際問題の解決に協力し合いましょう」とか「貿易の不均衡による
国家間の争いを防ぐために公平な貿易協定を結びましょう」とか「核保有国の
間でよく話し合って核軍縮を進め、核無き世界に近づけましょう」といったも
のが挙げられるでしょう。

 このような二段構えの理念ならば、大きな高次元の理念を実現するための道
筋が具体的で合理性があります。そこに説得力を感じます。実際に、現在の世
界は、このようなカントの考え方あるいは方法論に沿って、諸問題の解決を模
索しているように思われます。
                                 拓也


「強い寒気団」の英語表現について
   2017/2/17 (金) 23:12 by 北松拓也 No.20170217231239

 気象庁の発表によると、今月の10日から12日にかけて、西日本の日本海側を
中心に平年の何倍もの大雪が降ったそうですが、これは大陸から南下してきた
強い寒気団が原因でした。この気象状況に関して、NHKのホームページの英語ニ
ュースには、「Heavy snowfall in western Japan」(西日本で大雪)と題する
記事が掲載されていました。

 さて、英語で「寒気団」のことを a cold air mass といいます。これに「強
い」を加えて「強い寒気団」と英語で表現する場合、つい日本語の語順の感覚
に引きずられて、 cold の前に strong を持ってきそうになります。しかし、
上記のNHKの英語ニュースでは A cold strong air mass continues to bring 
heavy snow ... という書き出しになっていて、cold が先で strong が後であ
ることが分かります。
                                 拓也


defend という動詞について
   2017/2/12 (日) 18:12 by 北松拓也 No.20170212181201

 英語のニュース記事の中で、動詞 defend が「〜を防御する」とか「〜を擁
護する」、「〜を弁護する」といった一般的な意味のほかに、「〜の正当性を
主張する」、「〜を正しいと主張する」、「〜を正当化する」といった意味で
も用いられることがよくあります。この後者の意味は多くの英和辞典に記載さ
れているようで、たとえば『ジーニアス英和辞典』、『新英和中辞典』、『ラ
ンダムハウス英語辞典』の defend の項にも、これらに相当する語義が書かれ
ています。

 ところが、よく調べてみると、私の手元にある古い版の『新グローバル英和
辞典』(第二版)には、「〜を擁護する」「〔被告〕の弁護に立つ」は載って
いるものの、「〜の正当性を主張する」に類する語義が見当たりませんでした。
おそらくもっと新しい版にはこうした語義が採録されているものと思われます
が、この辞典は学習用英和辞典としてなかなか優れていると感じられるだけに、
この点が少し意外でした。

 また、『リーダーズ英和辞典』(第三版)においても、「《言論などで》擁
護[弁護]する」や「《口述試験などで質問に答えて》〈論文など〉の正しさを
証明する」や「〔法〕 弁護[抗弁,答弁]する」といった語義は記載されていま
すが、「〜の正当性を主張する」に相当する翻訳表現は、採録語義にも用例に
もありませんでした。
                                 拓也


「国宝浪漫」というテレビ番組について
   2017/2/2 (木) 18:36 by 北松拓也 No.20170202183657

 地元のテレビ局「TVK」で毎週火曜日の夜8時から放映している「国宝浪漫」
という番組があります。国宝級の建造物や美術品、そして伝統ある行事などを
美しい映像と丁寧な解説で紹介する番組です。観光促進がこの番組の趣旨かと
推測されますが、この種の番組は由緒ある日本文化を後世へ伝えていく上でた
いへん貴重だと思います。

 ちなみに、これに似たテレビ番組として思い出すのは、昔、「テレビ東京」
でロングランで放映されていた「極める」というシリーズ番組です。日本の伝
統ある文化財を紹介する番組内容で、女優の奈良岡朋子さんがナレーションを
担当されていました。そのときのナレーションの声は、今も私の耳の奥に印象
深く残っています。とても懐かしい気がします。
                                 拓也


書店の変貌
   2016/12/14 (水) 18:19 by 北松拓也 No.20161214181909

 1ヶ月余り前、ある大型書店の本店に久しぶりに行ってみました。いろいろ
な本を見て回る中で、宗教関係の書籍が置かれている書棚の前に立ったときに、
以前とは違う品揃えになっていることに気がつきました。

 何年か前に、ちょうどその書棚に並んでいた日本仏教伝道協会編の『英和対
照仏教聖典』を買った折には、故・中村元先生をはじめとする著名なインド哲
学者や仏教研究者の方々の学術性の高い専門的な書籍が、一般読者向けの平易
な仏教書とともに書棚に陳列されていました。ところが、今回はそういった学
術的な内容の本は1冊も見当たりませんでした。『英和対照仏教聖典』も書棚
には置いてありませんでした。ここ数年の間にまったく様変わりしていたので
す。

 おそらく仏教関係の学術書を置いていても、ほとんど売れない状況になり、
やむを得ず一般読者向けの仏教書のみを扱うようになったのだろうと推測され
ますが、それにしてもそこまで大きく変わるとは意外でした。その大型書店の
本店の商圏、つまりその本店の周辺地域では、人々がもはや学術性の高い仏教
書を求めなくなってしまったということが、このことから見て取れます。要す
るに客層が変わってしまったということでしょう。

 思えば、出版不況と言われて久しくなります。日本社会では近年、若年層の
活字離れが進む一方で、スマホやタブレット端末の利用者が驚くほど増えて、
人々がそれらに多くの時間を費やす傾向が加速しています。だから、なおさら
本が売れないのだろうと考えられますが、その割には出版業界全体で年間の出
版点数が減っているようには感じられません。むしろ出版点数自体は増えてい
るのかもしれません。ただ、出版点数が多くても、その内実はと言えば、学術
的な書籍は敬遠されて、安上がりな軽い内容の書籍が一般読者向けとして圧倒
的多数を占めているように見受けられます。

 もし仮に、さまざまな書店に並ぶ数多くの書籍の質や内容を全体として見渡
し、国民の知性を測るバロメーターとしてその全体像を分析するとするならば、
10年前、あるいは20年前と比べて、日本人の平均的な知性は低下しているので
はないかと懸念されます。
                                 拓也


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