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『文学論』──自己本位の読み方のまとめ
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断面的文学を読む
   2017/4/29 (土) 08:37 by Sakana No.20170429083727

04月29日

「『文学論』で私がものたりないとやや不満
に思い、補遺のかたちで資料を収集してあげ
たいと思ったことがあります」
「何だ?」
「漢学に所謂文学と英語に所謂文学とは到底
同定義の下に一括し得べからざる異種類のも
のたらざるべからずと言っているのに、具体
的な引用はほとんどが英文学からで日本文学
からの引用がほとんどありません。これでは
比較しろといっても、比較のしようがないと
思います」
「漢学に所謂文学なら四書五経と左国史漢を
読んだらどうだ」
「子供の頃から漢文の素読をしていないと難
しいですね」
「それならきみが十八世紀から二十世紀まで
の日本文学から適当に見つくろって引用文を
収集分類すればよい」
「それもたいへんな作業になりそうですが、
断面的文学にかぎれば、やってやれないこと
はありません」
「断面的文学というと和歌、俳諧、漢詩の類
だな」
「その分野では日本には豊かな文学的遺産が
あります。それを利用しない手はないでしょ
う」
「分類方法はどうする?」
「『文学論』で紹介されている文学的内容の
分類方法と基本成分にしたがいます」
「連歌の俳諧には伝統的な式目による分類方
法があるぞ」
「では、それも視野に入れて、比較検討する
ことにしましょう」

『日本篇:俳諧狂句』
(逆順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-jpn/minibbs.cgi
(正順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-jpn/minibbs-s.cgi


二人のウィリアム
   2017/4/26 (水) 06:56 by Sakana No.20170426065648

04月26日

「十年計画が完了して、気がぬけました。こ
れから先、私はどうすればよいでしょうか」
「それこそ則天去私だろう」
「高齢化社会と科学医療技術の進歩により、
私の天命はまだつきていません。ヒマはたっ
ぷりあり、困ったものです」
「やるとすれば漱石が果たせなかった『則天
去私の文学論』か」
「そうですね。娘婿の松岡譲によれば、晩年
の漱石先生は、『明暗』なんぞはそんな(則
天去私的な)態度で書いているが、自分は近
いうちにこういう態度でもって新しい本当の
文学論を大学あたりで講じてみたいと言って
おられました。また、ジェイン・オーステン
の『高慢と偏見』やオリバー・ゴールドスミ
スの『ウェイクフィールドの牧師』を則天去
私的な作品とみなしておられたそうです」
「その辺は漱石の真意がどうもよくわからん」
「私も『明暗』『高慢と偏見』『ウェイクフ
ィールドの牧師』を読んでみましたが、則天
去とのつながりがよくわかりませんでした」
「他に手がかりはないのか」
「『文学論』を深読みすれば、やはり沙翁、
ウィリアム・シェイクスピアからの引用が多
く、特に歴史劇からの影響が大きいようです
ね。それにもう一人あげれば、哲学者のウィ
リアム・ジェームズ。この二人のウィリアム
に注目する必要があると私は思います」
「そういえば、ウィリアム・ジェームズの
『多元的宇宙』は、修善寺の大患の後、残り
半分を三日で面白く読みおわったと『思ひ出
すことなど』で書いている」
「では『則天去私の文学論』と題して、二人
のウィリアムの思想を研究することにしまし
ょう」

『英国篇:薔薇戦争』
(逆順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-eng/minibbs.cgi
(正順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-eng/minibbs-s.cgi

『米国篇:多元的宇宙』
(逆順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-usa/minibbs.cgi
(正順版) http://www.hokushin-media.com/sokuten-usa/minibbs-s.cgi


愚直
   2017/4/23 (日) 07:55 by Sakana No.20170423075514

04月23日

「夏目漱石『文学論』を十年計画で読み続け。
ようやくゴールにたどりつきました。伴走す
るかたちで、おつきあいいただき、有り難う
ございます」
「苦節十年か。しかし、同じところをぐるぐ
るまわっているだけで、ラチがあかず、結局、
何にもならなかったね」
「そんなことはありません。私にとっては収
穫がありました」
「そう思うことができれば幸せだ。少なくと
も、きみが牛のように愚直な歩みをしたこと
だけはみとめよう」
「牛の歩みについては漱石先生の書簡にあり
ますね。<勉強をしますか。何か書きますか。
君方は新時代の作家になる積でせう。僕も其
積であなた方の將來を見てゐます。どうぞ偉
くなつて下さい。然し無暗にあせつては不可
ません。たゞ牛のやうに圖々しく進んで行く
のが大事です>(久米正雄、芥川龍之助宛書
簡、大正5年8月21日付」
「芥川龍之介は偉くなったが、彼の神経はカ
ミソリだった。牛のように図々しくなかった。
その点、きみなら牛になれる」
「狂歌一首を披露します。
   牛の如く歩む彼方に賭殺場
   ステーキハウスの肉となるらん」


宿題と注意事項ーーまとめ
   2017/4/20 (木) 07:57 by Sakana No.20170420075725

04月20日

「それでは『文学論』序から第一編、第二編、
第三編、第四編、第五編の宿題ないし注意事
項をつぎのようにまとめておきます」
「なんだこの程度だったのかと、読者をがっ
かりさせそうだね」
「あなどれませんよ。Aだけでもたいへんな
宿題です。けっきょくこの問題を問い続ける
ことに意義があるような気がします」

<宿題>
 序: A:根本的に文学とは如何なるもの
      ぞ。
 第一編B:漢学に所謂文学と英語に所謂文
      学とは到底同定義の下に一括し
      得べからざる異種類のものたら
      ざるべからず。両者を定義せよ。
    C:凡そ文学的内容の形式は(F+f)
       なることを要すという法則の吟味。
     D:『文学論』でいう文学的内容の基
      本成分の分類方法の吟味。
    E:『文学論』でいう文学的内容の分
      類方法の吟味
    F:神経衰弱、狂気と文学との関係の
      吟味
 第三編G:文芸上の真と科学上の真に加えて
      哲学上の真についての考察
    H:断面的文学の文例を文学的内容の
      分類や基本成分の分類にしたがっ
      て収集。
 第四編I:文学の大目的の奈辺に存するかを
      考察
 第五編J:日本人の集合的Fや人類の集合的
      Fが今後どのように推移していく
      かについての予測

<注意事項>
 第二編a:作者と読者の幻惑による文学的内
      容の数量変化
 第三編b:文芸上の真と科学上の真との比較
 第四編c:文学の第二の目的である幻惑


注意――集合的F(第五編)
   2017/4/17 (月) 08:37 by Sakana No.20170417083750

04月17日

「第五編集合的Fの宿題はどうしましょうか」
「自己本位で考えれば、わざわざ宿題を残す
必要はない」
「でも租庸調の昔から私たちは納税者として
の国民の義務は守らなければなりません」
「最近はまた応仁の乱の頃のようにきなくさ
い世の中になってきたが、今のところは兵役
の義務がない。それだけでもありがたいと思
え」
「日本人の集合的Fや人類の集合的Fが今後
どのように推移していくかを見守ることを宿
題にするべきではないかと思います」
「そんなことなら宿題とはせず、注意事項に
とどめておけばよい」
「では、焦点意識の競争、暗示の法則、倦厭
の法則を考慮しながら、人類の集合的Fの推
移を見守っていくことにしましょう」
「気休めにしかならないだろうが、それでも
まあよしとするか」



宿題ーー文学的内容の相互関係(第四編)
   2017/4/14 (金) 07:12 by Sakana No.20170414071229

04月14日

「第四編文学的内容の相互関係の宿題は何と
いっても文学の大目的です」
「それは間隔論で言っている」
「文学の大目的の奈辺に存するかは暫く措く。
その大目的を生ずるに必要な第二の目的は幻
惑の二字に帰着す」
「第二の目的の幻惑は宿題にしなくてもよい
のか」
「読者をいかに幻惑するかはそれぞれの作者
が考えることです。第二編で注意事項にあげ
ておけば、十分でしょう。第四編の宿題にす
るほどのことではありません」
「文芸上の真を伝える手段として連想法と写
実法とのどちらがすぐれているかという比較
は?」
「幻惑論で片付けることができます」
「漱石は連想法のなかでも特に滑稽的連想を
応用して『吾輩は猫である』を書き、商業的
成功をおさめた」
「その反動で晩年には滑稽的連想法に嫌気が
さし、ひかえめにしています」



宿題ーー文学的内容の特質(第三編)
   2017/4/11 (火) 09:23 by Sakana No.20170411092342

04月11日

「第三編文学的内容の特質は、文学的Fを
科学的Fと比較することによって文学的内
容の特質をあきらかにする試みです」
「その試みは成功しているのか?」
「凡そ文学者の重(おもん)ずべきは文芸
上の真にして科学上の真にあらず、という
主張には説得力があります。文芸上の真を
表現するためには誇大法や省略法などの手
段を用いることが許されます」
「科学上の真を考えないという主張は文学
無用論につながりかねないのではないか?」
「人間には情緒(f)があります。焦点的
印象又は観念Fに情緒(f)を復起ないし
再発させる読者がこの世にいるかぎり文芸
上の真をもとめる人はいなくなりませんー
ーーしたがって、文学は不滅です」
「第三編の宿題はあるのか?」
「二点あります。第一に哲学上の真、第二
に断面的文学」
「文芸上の真と科学上の真とは独立させて
哲学上の真を考えるべきだとは漱石は言っ
てない」
「しかし、文学と科学を比較する場合、哲
学を無視するわけにはいきません」
「漱石も『文学評論』では「十八世紀の英
国哲学」を論じているし、『文芸の哲学的
基礎』という講演もしている」
「ところが、『文学論』第三編では文学者
対科学者について論じるにあたって、哲学
者を科学者に含めてしまっています。これ
ではつじつまがあいません。文芸上の真と
科学上の真に加えて哲学上の真について考
察することを宿題にしたらどうでしょうか」
「了解。もう一点の断面的文学とは?」
「和歌、俳句、漢詩のように一時的の消え
やすき現象をとらえて表現する文学です。
『文学論』にはその文例がほとんどありま
せんが、そのような文例を文学的内容の分
類や基本成分の分類にしたがって収集する
ことを私個人的な宿題として自分に課した
いと思います」
「勝手にしろ」


注意ーー文学的内容の数量変化(第二編)
   2017/4/8 (土) 08:28 by Sakana No.20170408082826

04月08日

「第二編文学的内容の数量変化は、幻惑がキ
ーワードです」
「文学論即ち幻惑論か」
「私たちのF(焦点的印象又は観念)とf
(情緒的要素)は、時間の経過によって変化
し、また、実人生における直接体験と読書観
劇などによる間接経験によっても変化します。
このことは一部の作家はわかっていて、読者
をうまく幻惑するよう言語による表出を工夫
しているはずです」
「それなら第二編は宿題なしでもよいかな」
「でも、自分の思想が絶対に正しい真理だと
思い込んでいるだけで、それが幻惑によって
影響された概括的真理にすぎないことがわか
っていない作者もいます。それに、読者の大
多数はそもそも作者によって幻惑されている
ことがわかっていません」
「では、注意をうながしておけばよいだろう」
「悲劇や喜劇による幻惑にも注意を払ってく
ださい。私は、文学的内容の形式だけではな
く、人間一生における(F+f)を終焉に向
けてどう持って行くかが大事だと思います」
「そんなことは、ここに持ち出さないで、個
人的な宿題として処理してくれ」


宿題ーー文学的内容の分類(第一編)
   2017/4/5 (水) 08:34 by Sakana No.20170405083454

04月05日

「第一編文学的内容の分類。ここでの問題は、
漱石先生が発見してくださった法則や分析の
方法が我が国の文化遺産として継承されてな
いことではないかと私は思います」
「それは弟子たちや研究者たちの責任だ」
「第一編の宿題として考えられるのは次の三
点です。
C:凡そ文学的内容の形式は(F+f)なる
 ことを要すという法則の吟味。
D:文学的内容の基本成分の分類方法の吟味。
E:文学的内容の分類方法の吟味
「いずれも文学界で後世の作家たちに吟味さ
れ、継承されていないというのか」
「ええ、残念ながら」
「それは継承するだけの価値がないからでは
ないのか」
「継承する価値があるかどうかについての議
論もほとんどなされていないと思います」
「漱石が『文学論』で何やら妙なことを書い
ているが、よくわからん。かといって無視す
るわけにもいかないから、とりあえず漱石全
集の一巻におさめ、棚上げしておこうといっ
た程度か」
「まあ、そんなところでしょう」
「きみ自身はどう考えているのだ?」
「私は(F+f)の法則、文学的内容の基本
成分の分類方法、文学的内容の分類方法のい
ずれもしっかり継承し、見直したいと思って
います」


宿題ーー序
   2017/4/2 (日) 07:07 by Sakana No.20170402070702

04月02日

「『文学論』のまとめに残された時間が一ヶ月
になりました。どうしましょう」
「問題提起がいろいろあったが、そのほとんど
はきちんと解明されていない。そのうちのいく
つかをひろいあげて宿題にするしかないだろう」
「わかりました。それではまず、序で問題提起
されたにもかかわらず、結論が出ていない疑問
をあげておきます。まず<A:根本的に文学と
は如何なるものぞ>」
「それは永遠のスフィンクスの謎だよ」
「答は出なくても、問い続けることに意味があ
るのかもしれませんね。次に<B:漢学に所謂
文学と英語に所謂文学とは到底同定義の下に一
括し得べからざる異種類のものたらざるべから
ず」
「両定義を併記して比較すればよいだけのこと
だが、そんな定義さえも漱石はしていない」 
「<私は文学なるものは科学の如く定義をすべ
き性質のものでなく、下し得るものとも考えへ
て居らない>と言っておられます(『英文学形
式論』)」
「では、それも宿題だ」
「三番目は、心理的に文学は如何なる必要あつ
て、この世に生れ、発達し、頽廃するか。社会
的に文学は如何なる必要あつて、存在し、隆興
し、衰滅するか」
 「それは、『文学論』の中である程度の答が出
ている。宿題とせず、注意をうながすだけでよ
い」
「そうですね。情緒の復起(あるいは再発)を
する人がこの世にいるかぎり、心理的にも社会
的にも文学が衰滅することはなさそうです。で
もこれだけの大問題の扱いを私が勝手に片付け
てしまうわけにはいきませんから、これも宿題
にしておきます。だいたいこんなところですか」
「もう一点、肝心なことを忘れている。神経衰
弱、狂気と文学との関係だ」
「それは忘れたまでいいでしょう」


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