夏目漱石の『文学論』を読みとく

長谷部さかな 著
 
 ID


全969件 <更新> ページ移動 ⇒ [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 終了]

PAGE 34 (331〜340)


文学的内容の相互関係
   2010/1/9 (土) 07:34 by Sakana No.20100109073417

1月9日

「『文学論』第四編 文学的内容の相互関係
は次の八章から構成されています。

 第一章 投出語法
 第二章 投入語法
 第三章 自己と隔離せる聯想
 第四章 滑稽的聯想
 第五章 調和法
 第六章 対置法
 第七章 写実法
 第八章 間隔論」

「これが漱石流修辞学、観念の聯想の八つの手
口というわけか」
「整然たる堅牢な構成──見事なものです」
「対置法や写実法ならどんなものかある程度の
察しがつくが、投出語法とか投入語法とか言わ
れると見当がつかない」
「講義をまじめに聴けばわかるはずです」


投出語法
   2010/1/12 (火) 09:11 by Sakana No.20100112091116

1月12日

「自己の情緒を投出(project)して外界を説
明する手段となす、というのが漱石先生の言
われる投出語法(projective language)です」
「情緒とはどのようなものか?」
「笑ったり、怒ったり、喜んだり、泣いた
り──つまり、喜怒哀楽が基本的な情緒です」
「それを投出してどうする?」
「作者は自分の情緒を投出して読者の情緒に
訴えます。読者が情緒的に反応し、共鳴すれ
ば文学作品は成功したといえるでしょう」
「五蘊皆空。色即是空。空即是色。受想行識
亦復如是──つまり、情緒などというものは
空にすぎない」
「しかし、それでは文学者は困ります」
「投出語法の研究などのようなムダな努力は
やめ、般若心経を繰り返しとなえたほうがよ
い」
「それでは漱石先生の文学を理解することが
できません」
「則天去私の境地に到達するには投出語法よ
りも般若心経のほうが近道だ」


擬人法
   2010/1/15 (金) 08:43 by Sakana No.20100115084308

1月15日

「擬人法(prosopopoeia)も投出語法に含まれ
ます」
「動物あるいは生命のない物体に人間の特性を
持たせる、または、擬人観の言葉で語る修辞技
法だ」
「私たちが日常なにげなく使用する言語の中
にも擬人法は意外に多いようです。たとえば、
<雲足早く><木の葉の私語><引出しの手>
など・・・」
「菫程な小さき人に生まれたし、という俳句
を詠んだのは投出語法のサンプルのつもりな
のだろうか」
「西洋にも<縫針の目>("a needle's eye",
"the eye of a needle"とか<鐘の舌>("the
tongue of a bell"のような用例があります」
「富める者の神の国に入るよりは、駱駝の針
の穴を通るかた反って易し」
「さらにいくつかの例をご紹介しておきます」

"Grim-visaged war." --- Richard III. Act I. sc. i. 1. 9
(恐ろしい面構えの戦争──『リチャード三世』第一幕第一場、九行)

"Loud-throated war." ---Wordsworth, Address to Kilchurn Castle
(のど一杯にわめく戦争。──ワーズワス「キルチャーン城によせて」)

"Make all our trumpets speak; give them all breath.
Those clamorous harbingers of blood and death."
                        ---Macbeth, Act V. sc. vi.ll. 9-10
(すべてのラッパにしゃべらせろ。すべてにたっぷり呼吸させろ。/
流血と死のあの騒々しい先触れに。
            ──『マクベス』第五幕第六場、九ー十行)

  "Scylla wept,
And chid her barking-waves into attention."
                       ---Milton, Comus, II. 257-8.
(スキュラは泣き、/
咆哮する波を叱って注意を喚起した。
            ──ミルトン『コーマス』二五七ー二五八行



投出語法の込み入った用例
   2010/1/18 (月) 09:46 by Sakana No.20100118094610

1月18日

「投出語法の込み入った用例をさらにいくつ
かご紹介しておきます」
「たくさんだ。もういいよ」
「漱石先生がわざわざロンドンに留学して蒐
集した用例です。おろそかには扱えません」
「漱石は蒐集狂だな」
「ハーディの傑作『ダーバヴィル家のテス』
の女主人公テスがClareにその身の罪を懺悔す
る際、無生の器物までテスに情なく見える気
色を写した辺は、まったくこの投出語法を適
用して、しかも成功していると鑑定しておら
れます」
「今どきの日本人はハーディなど読まない。
テスの心理描写が成功していると言ったって
馬の耳に念仏だ」
「新婚の楽しさを花に移して歌った用例や一
たび染みこんだ身の汚れをジャスミンの花に
寄せて嘆く乙女を描いた用例も参考にしてく
ださい」

"But the complexion even of external things seemed to suffer
transmutation as her announcement progressed. The fire in the
grate looked impish---demoniacally funny as if it did not care
in the least about her strait. The fender grinned idly, as if
it too did not care. The light from the water-bottle was merely
engaged in a chromatic problem. All material objects around 
announced their irresponsibility with terrible iteration.
           ---Thomas Hardy, Tess of the D'Urberville. chap. xxxv.

(しかし彼女の告白が進むにつれて、まわりのものの顔つきまで変
化するように見えた。暖炉の火格子の中で燃える火は小鬼さながら
──彼女の苦境などまったく意に介さないとでもいうように悪魔じ
みたふざけ方をした。炉の柵も、何も気にかけていないかのように
歯を剥き出してにやっと笑った。水差しが反射するただ色あざやか
に見えることだけに専念していた。まわりのものはことごとく、自
分には責任がないことを、恐ろしいくらいに繰り返し宣言していた。
ーーーハーディ『ダーバヴィル家のテス』三五章)

"Godiva. This is the month of roses; I find them everywhere
since my blessed marriage. They, and all other sweet herbs,
I know not why, seem to greet me wherever I look at them, as
though they knew and expected me."
           ---Landor, Imaginary Conversation, Leofric and Godiva.

(ゴダイヴァ 今月は薔薇の月です。祝福された結婚の日からこの
かた、どこに行っても眼に映るのはこの花ですね。薔薇も、そのほ
かの愛らしい草花も、なぜだかわかりませんが、どこで眺めてもま
るで私のことを知っていて、待ち受けていたみたいに、挨拶してく
れるのです。
ーーーランドー『架空対話集』「レフリックとゴダイヴァ」)

"If through the garden's flowery tribes I stray,
Where bloom the jasmines that could once allure,
'Hope not to find delight in us' they say,
'For we are spotless, Jessy; we are pure.'"
          ---Shenstone, Elegy, xxvi.

(庭に咲く花々の間をさまようと、/
かつて私を誘ったジャスミンの花も咲いていて、/
「わたしたちを見て喜びを得ようと思ってはなりません」と言います。/
「なぜなら、わたしたちは無垢なる身、ジェシー、わたしたちは純潔なのですから」。
ーーーシェンストーン『哀歌』(二十六)



物自身の永久的特性
   2010/1/21 (木) 07:49 by Sakana No.20100121074918

1月21日

「前回、ご紹介した投出語法の用例はいずれ
も解釈する当事者の刻下の心持ちとあいまっ
て初めて生じるもので、独立してこれに対す
る時は無意義です」
「こちらの気持ちが乗らないとダメというこ
とか」
「一方、永久の独立せる『文芸上の真』は物
自身の永久的特性をとらへ、これが解釈をな
して始めて望む得べきなり、だそうです」
「俳句の客観写生説、俳句もの説に通じてい
るようだ」
「たとえば、ブレイクの詩で<戦>の特性は
ほとんど普遍的なもののみですから、この投
出語は独立性が大きいといえます。また、シ
ェイクスピア『冬物語』の引用例では花の永
久的特性を描出して、異常の心理態度とはま
ったく関係がありません。その効果は独立し
ております」


"The God of War is drunk with blood;
  The earth doth faint and fall;
The stench of blood makes sick the heav'n;
  Ghosts glut the throat of hell."
                  ---Blake, Gwin, King of Norway, II. 93-6.

(戦いの神は血に酔い、/
大地は失神して力を失う、/
血の悪臭は天に吐き気を催させ、/
亡者たちが地獄の喉にあふれる
───ブレイク「ノルウェイ王グイン」九三ー九八行)

        ---"daffodils.
That come before the swallow dares, and take
The winds of March with beauty; violets dim,
But sweeter than the lids of Juno's eyes
Or Cytherea's breath; pale primroses,
That die unmarried, ere they can behold
Bright Phoebus in his strength...
----Thw Winter's Tale, Act IV. sc. iv. II. 118-24

(燕もまだ来ぬうちに/
花を咲かせて、三月の風を/
美しさでとりこにするラッパ水仙。/
色こそ地味だけど、ユーノーのまぶたよりも/
キュテレイア(ヴィーナス)の息よりも甘いすみれ草。/
そして日の神アポローンの輝く姿を見ぬうちに/
独身のまま死んでゆく青白い桜草。
───シェイクスピア「冬物語」第四章第四場、一一八ー一二四行)

The musk-rose, and the well-attired woodbine,
With cowslips wan that hang the pensive head.
And every flower that sad embroidery wears."
----Milton, Lycidas, II. 146-8

(じゃこう薔薇、装いこらしたすいかずら、/
愁いに沈み頭を垂れる色淡い九輪桜、/
そして悲しみの縫い取りをつけたすべての花々を。
───ミルトン「リンダス」一四六ー一四八行)


抽象的事物の擬人法
   2010/1/24 (日) 07:32 by Sakana No.20100124073233

1月24日

「投出語法の用例としてこれまでにご紹介し
たものはすべて具体的な物体に限られていま
す」
「雲、縫針、ラッパ、波などは物体だが、木
の葉、花、すみれ草などは植物だ」
「植物も動物も物体とみなします」
「"Grim-visaged war." (恐ろしい面構えの
戦争)という用例もあるが、戦争は物体とは
みなせない」
「戦争は例外とみなしましょう。戦争以外の
抽象的事物には擬人法のような投出語法は避
けるべきです」
「なぜだ」
「元来余は所謂(いわゆる)抽象的事物の擬
人法に接する度毎に、その多くの場合がわざ
とらしく気取りたるに頗る不快を感じ、つい
てはこの語法を総じて厭ふべきものと断定す
るに至れりと、漱石先生が言っておられるか
らです」
「漱石の言うことだって何もかも鵜呑みにし
ないようがよい」
「とにかく、講義だけは拝聴しましょう」



気取りたる投出法
   2010/1/27 (水) 08:00 by Sakana No.20100127080051

1月27日

「所謂気取りたる投出法の例としてポープの
詩句を挙げておきます」
「気取りたる投出法とは抽象的事物の擬人法
のことか」
「その類でしょう」
「ポープは漱石が『文学評論』で紹介した十
八世紀の英文学を代表する詩人だ」
「凡そ抽象的観念を好み、理屈を愛せしこと、
十八世紀の文学者の如く甚だしきはあらざる
べし」
「そういえば、やたらに抽象名詞を大文字に
して、固有名詞のように見せかけている」
「Contemplation(瞑想)、Melancholy(憂愁)
などですね」
「Black Melancholy(黒き憂愁)というのも
あるが、どう違うんだ」
「それは、Black Melancholy(黒き憂愁)の
ほうが文学的価値が優るというのが漱石先生
の判定です」
「なぜだ」
「<沈める瞑想>や<沈思の憂愁>は形容詞
が名詞と抽象的なる度合が異なるところがほ
とんどありません。それに対して、<黒き憂
愁>の<黒>は名詞より一層具体的な性質を
伝え、<愁>を活かしめているからです」
「こまかな観察だな」
「いずれにしても、所謂気取りたる投出法は
錬金術師が鉄を金にしようとして失敗するよ
うなものですから避けたほうがよいでしょう」
「余計なお世話だとポープが言いそうだ」
「猿が冠を被りて大名に成済ます事のむづか
しげなるに似たり、だそうですよ」
「漱石は豊臣秀吉が嫌いらしい」

"In these deep solitudes and awful cells,
Where heavenly-pensive Contemplation dwells,
And ever-musing Melancholy reigns;
What means this tumult in a Vestal's veins?
---Pope, Eloisa to Aberard. II. 1-4

(神々しい思いに沈む「瞑想」が棲み、/
いつも沈思の「憂愁」が支配する/
この深い孤独のなか、厳粛な僧院にあって、/
こんなにも修道女の血がどよめくのはどうしたものか?
───ポープ『エロイザよりアベラールへ』一ー四行)

"But o'er the twilight groves and dusty caves,
Long-sounding aisles, and intermingled graves,
Black Melancholy sits, and round her throws
A death-like silence, and a dread repose.
---Ibid. ll.163-6

(しかし薄暗い森、ほの暗い洞窟/
遠くまでこだまの響く回廊と入り組んだ墓地の上の上に/
黒き「憂愁」が座し、あたりに/
死のような沈黙と恐ろしい休息を投げる。
───同、一八三ー一六六行


トリストラム・シャンディ
   2010/1/30 (土) 08:53 by Sakana No.20100130085351

1月30日

「漱石先生は気取りたる投出法の例としてポ
ープのほかにローレンス・スターン『トリス
トラム・シャンディ』(The Life and Opinions 
of Tristram Shandy, Gentleman)からも引用
しておられます」
「全9巻からなる荒唐無稽で、一貫したストー
リーがなく、しかも未完の小説だが、そんなも
のをわざわざ原文で読む日本人がいるのが不思
議だ」
「第六巻第二十五章からの引用ですから、漱石
先生はちゃんと読んでおられます」
「ご苦労様なこった」
「ポープよりも更に一層実なきものにして、室
が静かにてTobyが居眠り始めたりと書けば足る
ものを、徒(いたずら)に無用の工夫を凝(こ
ら)し、しかもその印象に何らの貢献すること
なきは全くの徒労なり」
「<静寂が沈黙をうしろに従えて、独り住まい
の居間に入り、薄い紗の布でトービー叔父の顔
を覆いました>という気取った描写よりも<室
が静かにてTobyが居眠り始めたり>と書けばよ
いという意見か。なるほど」
「英国に留学する前の1897年(明治30年)に漱
石先生は『トリストラム、シャンデー』と題す
る文章を発表しておられます。『吾輩は猫であ
る』などにも影響を及ぼしているようです」
「お世話になっているのに気取りたる表出法を
批評するとはけしからん」
「それはそれ、これはこれです」

"Stillness, with Silence at her back, entered
the solitary parlour, and drew their gauzy mantle
over my Uncle Toby's head; and Listlessness, with 
her lax fibre and undirected eye, sat quietly down
beside him in his arm chair."
---L. Sterne, Toristram Shandy. Vol. VI. chap. xxxv.

(静寂が沈黙をうしろに従えて、独り住まいの居間に入り、
薄い紗の布でトービー叔父の顔を覆いました。それから倦
怠が、だらしない気分とたるんだ目つきで、肘掛椅子の叔
父の脇に静かに座りました。
───スターン『トリストラム・シャンディー』第六巻第二十五章)

"Gigantic pride, pale Terror, gloomy Care,
And mad Ambition, shall attend her there;
There purple Vengeance bathed in gore retires,
Her weapons blunted, and extinct her fires;
There hatefulEnvy her own snakes shall feel,
And Persecution mourn her broken wheel;
There Faction roar, Rebellion bite her chain,
And grasping Furies thirst for blood in vain."
---Pope, Windsor Forest. II. 415-22

(巨大な自負、青白い恐怖、陰鬱な心労、/
狂おしい野心がそこで彼女(不和)の仲間となるだろう。/
そこで血にまみれた深紅の復讐は、/
刃が鈍り、炎が消えて退き、/
憎しみに燃える嫉妬は自らの毒蛇に咬まれ、/
迫害は車輪(拷問道具)のこわれたのを嘆き、/
内紛は呻き、叛逆は自らを縛る鎖を噛み、/
貪欲な憤怒はむなしく血を求めることになろう。/
───ポープ『ウィンザーの森』四一五ー四二二行)




静寂のもたらす溜息から生まれた音
   2010/2/2 (火) 10:26 by Sakana No.20100202102612

2月2日

「抽象的事物の擬人法でも、読者にそれほど
厭味を喚起させない例もあります」
「例外もあるということだな」
「たとえば、キーツの詩で、<静寂のもたら
す溜息から生まれた音とも思えぬかすかな音>
という表現に注目してください」
「静寂が溜息をもらすはずがない」
「音とも思えぬかすかな音ですよ。その連想は
必然的で、厭味はまったくありません。<静>
なるものを表現するのにこれ以上の手段はない
と思います」
「そういえば、キーツの詩と比べると、<閑さ
や岩にしみいる蝉の声>という芭蕉の句には厭
味が感じられる」

The clouds were pure and white as flocks new shorn,
And fresh from the clear brook; sweetly they slept
On the blue fields of heaven, and then crept
A little noiseless noise among the leaves,
Born of the very sigh that silence heaves.
---Keats, I stood tip toe upon a little hill. II.ii-12

(雲は清らかに白く、毛を刈られたばかりの羊の群が/
澄んだ小川から上がったばかりのようだった。/
雲は天の青い野原に心地よく眠り、/
そこに、静寂のもたらす溜息から生まれた/
音とも思えぬかすかな音が葉と葉の間を縫って忍びよった


解き放たれたプロメテウス
   2010/2/5 (金) 12:37 by Sakana No.20100205123712

2月5日

「投出語法の第一要義は、物体と自己との適
切なる類似を支持することにあります」
「物体は抽象的なものを避ける・・・。」
「その類似は永久的にして常に一見瞭然たる
ものなるべきなり」
「具体物の擬人法文例がシェリー『解き放た
れたプロメテウス』の詩句というわけか」
「同じ劇から二例を抜き出しておりますが、
前者は単に一種平凡な平行的比較を用いたも
のにすぎず、なるほどと合点はいきますが、
到底趣味ある感興を喚起する妙味はありませ
ん」
「星たちの羊飼いが早足の太陽という面白い
比喩に感興を覚えてはいけないのか」
「平凡すぎます。それに対して後者は、雲の
重畳せる様、その色合、一々適切なる類似を
発揮し得たるもので、いわゆる『文芸上の真』
より見てすこぶる価値あるものと賞すべきで
す。じっくり味わってください」

"The pale stars are gone!
For the sun, their swift sheperd,
To their folds them compelling,
In the depths of the dawn."
---Shelly, Prometheus Unbound. Act. IV. II. l-4

(青白い星たちは消えた。/
彼らの羊飼いたちである早足の太陽が/
夜明けの真っ只中に/
彼らをその木舎へと追いやったからだ。
───シェリー『解き放たれたプロメテウス』第四幕、一ー四行)

"And multitudes of dense white fleecy clouds
Were wandering in thick flocks along the mountains
Shepherded by the slow, unwilling wind.
---Ibid. Act II. sc. i. ll. 145-7

(そして大量の白い羊毛のような雲が/
山に沿ってぎっしりと群れをなし/
ゆったりと吹く気もなく吹く風に導かれてただよっていた。
───同、第二幕第一場、一四五ー一四七行)



ページ移動 ⇒ [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 終了] <照会>
 
「夏目漱石の『文学論』を読みとく」 長谷部さかな 著
 Copyright © 2014 Sakana Hasebe