夏目漱石の『文学論』を読みとく

長谷部さかな 著
 
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異化
   2007/7/8 (日) 06:51 by Sakana No.20070708065115

7月8日

「大江健三郎『新しい文学のために』(岩波
新書 1988)を読みました」
「新しい文学はもうたくさんだ。『古い文学
のために』を読みたい」
「大丈夫です。ダンテ、ディケンズ、バルザ
ック、トルストイ、ドストエフスキー、フォ
ークナー、夏目漱石などなど古い作家たちの
文章も引用されていますから」
「漱石のどんな文章だ」
「<異化>の例として、『明暗』(1916)の
次の箇所などが引用されています。

<馬車はやがて黒い大きい岩のようなものに
突き当ろうとして、その裾をぐるりと廻り込
んだ。見ると反対の側にも同じ岩の破片とも
云うべきものが不行儀に路傍を塞いでいた。
台上から飛び下りた御者はすぐ馬の口を取っ
た。
 一方には空を凌ぐほどの高い樹が聳えてい
た。星月夜の光に映る物凄い影から判断する
と古松らしいその木と、突然一方に聞こえ出
した奔淵の音とが、久しく都会の中を出なか
った津田の心に不時の一転化を与えた。彼は
忘れた記憶を思い出した時のような気分にな
った。
『ああ世の中には、こんなものが存在しての
だっけ。どうして今までそれを忘れていたの
だろう』」

「<異化>の例?<異化>とは何だ」
「文学の科学に進展をもたらしたロシア・フ
ォルマリズムのグループの用語(ロシア語で
オストラニエーニエ)です。バフチンやシク
ロフスキーなどフォルマリストの名前は耳に
したことがあるでしょう」
「漱石はロシア・フォルマリズムの影響を受
けているのか」
「それはありえません。漱石の『英文学形式
論』のほうが時代が古いですから」
「すると、漱石はロシア・フォルマリズムに
先行して、<異化>という方法を用いていた
ということになるのか」
「<異化>ということばは使っていませんが
ね。漱石の分類によれば<雑のもの>という
意味の伝達の形式でしょう」
「引用された『明暗』の文章のどこが<異化>
なんだ」
「大江健三郎の解説によれば、<漱石が津田
の内的独白として、抽象的な心の風景を描く。
それが僕らに実感をあたえるのは、岩や樹や
急流の流れる音が<異化>されて、胸にきざ
みこまれるからである。そこに眼をとどめる
ことで、僕らっも見なれない、不思議なもの
に接した思いになる。ああ世の中には、こん
なものが存在していたのだっけ、どうして今
までそれを忘れていたのだろう、という思い
を共有するのである>となっています」
「岩や樹や急流の流れる音が<異化>される
というのは、要するに、漱石のいう<聯想>
ではないのか」
「<聯想>という古くさいことばではなく、
<異化>という新しいことばを用いなければ、
新しい文学になりません」
「すると、『明暗』は暗々裏に<異化>とい
うロシア・フォルマリズムの方法を応用して
創られた新しい文学ということになる」


明暗
   2007/7/9 (月) 08:03 by Sakana No.20070709080302

7月9日

「どうした、うかぬ顔をして」
「自信をなくしました。文学の鑑賞力のなさ
に呆然自失しております」
「それしきのことで今さら呆然自失すること
もないだろう」
「大江健三郎が引用した夏目漱石『明暗』の
文章ですが、私には、<異化>の面白さが理
解できないのです」
「あの文を読んで、きみの胸には岩や樹や急
流の流れる音が<異化>されて、きざみこま
れないのか」
「岩や樹が見えてきて、急流の音が聞こえて
はきますが、面白いとは思わないぞな、もし」
「<なもしと菜飯とは違うぞな、もし>とい
う異化なら面白いか」
「トチメンボーという異化も面白いと思いま
した」
「『明暗』は純文学。シリアスな文学だ」
「『坊っちゃん』や『吾輩は猫である』は純
文学ではないのでしょうか」
「シリアスな文学とはいえない。戯作の類だ
ね」
「でも、日本文学全集に載っています」
「実をいうと、評論家も扱いに困っているら
しい」


難渋な形式
   2007/7/10 (火) 10:01 by Sakana No.20070710100125

7月10日

「芸術(文学をふくむ)の手法は、<知覚を
むずかしくし、長びかせる難渋な形式の手法>
だそうです」
「それも大江健三郎が『新しい文学のために』
に書いている考えか」
「ええ、シクロフスキーのことばとして紹介
しています」
「なるほど、<知覚をむずかしくし、長びかせ
る難渋な形式の手法>が異化という奴か」
「私はこれまで、読みやすく、わかりやすい文
章表現をこころがけてきたのですが、それは新
聞記者やルポライターの手法であり、文学者の
手法ではなかったようです」
「方針を変更して、<知覚をむずかしくし、長
びかせる難渋な形式の手法>に切りかえるつも
りか」
「ちょっと待ってください。文学の目的はやは
り意味の伝達が基本だと思いますが」
「漱石の分析でも、意味の伝達は文学の読者に
快感を与える三通りの形式のうちの一つにすぎ
ない」
「そういえば、雑のものの中に<理解力に訴へ
る部分>というのがありましたね」
「それだよ、読者の理解力を刺激し、ゆすぶる
のが異化だ」
「忙しくて、詩的言語などわけのわからん言語
の理解力を鍛えるヒマがない。放っておいてく
れという読者が多いのではないでしょうか」
「それが問題だ。純文学衰退の原因になってい
る」
「<衰退は恢復されねばならないし、恢復され
ると僕は信じる>と大江健三郎は言っています」
「風林火山だ」
「え?どういう意味ですか」
「理解力がスティミュレート(刺激)されたよう
だな」


大宝律令
   2007/7/12 (木) 09:58 by Sakana No.20070712095822

7月12日

「私には文学の遺伝子DNAが組み込まれていま
す。遠い昔、大宝律令によって、私のご先祖
は有品親王の家とされたにちがいありません」
「妄想だ。あまりの暑さで、頭がおかしくな
ったか」
「大法律令義解によると、一品乃至四品の有
品親王の家には「文学」をひとりずつ置いて
「経」を執り講ずることを任とさせたそうで
す」
「その有品親王のDNAがきみに伝わっていると
いう証拠はない」
「伝わっていないという証拠もありません。
近世の江戸時代になると、私のご先祖の縁者
が儒者として西国某藩の<文学>と呼ばれま
した」
「縁者というが、ほんとうにDNAがつながっ
ているのか。あやしいものだ」
「私は由緒正しい文学の家柄を信じます」
「そんなものは現代には通用しない。明治時
代になって文学はLiteratureの意味に変わっ
ている」
「しかし、明治十年四月には東京大学文学部
が設けられました」
「それは、明治官僚の権力意志が<文学>を
権威づけようとして大学制度にとりこんだの
だ。そのうちにメッキが剥げ、権威もなにも
ない案山子のようなものだということがあき
らかになった」
「そうでしょうか」
「夏目漱石は明治三十九年(1907)に東京帝国
大学文学部の権威を捨てて朝日新聞にうつっ
た。この事実がきみのいう<文学>の権威失
墜を物語っている」

 文学という名辞そのものは日本にも古くか
らあった。大法律令義解によると、一品乃至
四品の有品親王の家には「文学」をひとりず
つ置いて「経」を執り講ずることを任とさせ
たといい、これが徳川時代各藩の医学に対す
る「文学」──儒員を呼んで文学としたこと
に引きつがれたと言ってよかろう。・・・し
かし、こうして昔からあった「文学」という
言葉が、幕末か明治初年、意味のまったく違
う、英語でいえば、literatureの訳語として
いきなり採用され通用しはじめたと考えるの
は少々飲みこみかねることで、これはあいだ
に、大学制度の問題を挟んで考えるべきこと
ではなかろうか。すなわち、文学部文学科で
学ぶ対象としてまず文学があったのではない
か、と。(東京大学文学部が出来たのは明治
十年四月)。(寺田透『文学の運命』、岩波講
座『文学講座』1975年版)


曲学阿世
   2007/7/14 (土) 09:14 by Sakana No.20070714091433

7月14日

「夏目漱石が明治三十九年(1907)に東京帝国
大学文学部をみかぎったのは<文学>にとっ
ては権威にかかわる歴史的な大事件でした」
「たかが講師が一人やめただけで帝大文学部
の権威がゆるぐことはないだろう」
「漱石先生は玉だったのです。玉をとりくむ
ことによって、朝日新聞と岩波書店に文学の
権威がうつってしまったのです」
「そうかな」
「そうですよ。『虞美人草』、『鉱夫』、
『三四郎』、『それから』、『門』、『彼岸
過迄』、『こころ』、『明暗』などは朝日新
聞に連載されているし、岩波書店が出版業に
進出したのは大正三年(1914年)に『こゝろ』
を刊行したときで、さらに漱石の没後、『夏
目漱石全集』が売れたために出版会社として
発展したといわれています」
「戦後しばらくは岩波文化人や朝日文化人が
ときめいていた。当時の吉田茂首相から曲学
阿世の徒と呼ばれたことがあるが、進歩的文
化人の人気は高かった。しかし、共産主義国
家ソ連の崩壊と共産主義国家中国の資本主義
化のあおりをうけて今はその権威も失墜して
いる」
「それでも、岩波と朝日は文学の権威を手放
してはいません。『岩波講座 文学』が権威
の象徴です。
「伊藤整などが編集した講座を読んだことが
ある」
「それは1954年版でしょう。その後、1975年
に全12巻、2004年に全13巻、別巻Iとし
てバージョンアップされています」
「編集委員は誰だ」
「1975年版が猪野謙二、大江健三郎、高橋和
己、寺田透、野間宏。2004年版は小森陽一、
富山多佳夫、沼野充義、兵藤裕巳、松浦寿輝
です」
「顔ぶれからみて作家から学者に権威がシフ
トしている。漱石にみかぎられた文学部と一
般読者にみかぎられた岩波が提携して、権威
回復をめざしているのかな」
「そんな憎まれ口をきいていけません。1954
年版、1975年版、2004年版の岩波講座をすべ
て読めば、文学に関する問題はほぼ解明され
るでしょう。たいていの問題は誰かがどこか
で書いています」
「一般読者にはそんなものを読むヒマはない
よ」


宿直室
   2007/7/18 (水) 09:29 by Sakana No.20070718092941

7月18日

「『坊ちゃん』の宿直室の寝床に生徒たちが
大量のバッタを入れていやがらせをする場面
がありますね」
「そりゃ、イナゴぞなもし」
「<篦棒(べらぼう)め、バッタもイナゴも
同じもんだ>と坊ちゃんはいうのですが、実
は、宿直の仕事をほっぽり出して温泉に入り
にゆくという坊ちゃんの行動は<近代天皇制
の支配構造>に対する激越な侵犯行為だった
という説があります」
「不良教師がちょっと仕事をサボっただけの
ことではないか」
「明治時代の<宿直>には<非常に重い意味>
がこめられていたのです」
「どんな意味だ」
「小森陽一によれば、<宿直室というのは、
天皇陛下の<御真影>と<教育勅語>を奉安
しておく場所であり、<宿直>の教師の任務
とは、<御真影>と<教育勅語>を命をかけ
て守る」ことだそうです(水林章
「構造と交錯」『岩波講座 文学』別巻)」
「小森陽一とは誰だ」
「『岩波講座 文学』の編集委員です
「なるほどね。すると、坊ちゃんに宿直をサ
ボらせた作者の漱石は<近代天皇制の支配構
造>に対する侵犯行為だということを百も承
知の上で、<近代天皇制の支配構造>を暗に
風刺したことになる」
「漱石先生は江戸っ子ですから近代天皇制の
御輿をかついだ薩長の藩閥政府に対する反感
はあったでしょう。東京大学文学部をみかぎ
ったのもそのためですよ、たぶん」
「『ガリバー旅行記』でスイフトから風刺の
手口を学んではいるが、『坊っちゃん』を執
筆する際、はたしてそこまで深く考えていた
のだろうか」


奏任待遇
   2007/7/23 (月) 05:53 by Sakana No.20070723055324

7月22日

「『坊ちゃん』によれば、中学校の宿直は職
員が代わる代わるつとめることになっていた
が、校長の狸と教頭の赤シャツは奏任待遇だ
からといって、宿直の義務をまぬがれていた
そうです」
「奏任待遇とは?」
「奏任官ではないが、奏任官と同じ待遇を受
ける者。奏任官は、勅任官の下で、内閣総理
大臣の推薦によって任命される官吏で、三等
から九等までの高等官をいいます」
「要するに高等官だな」
「坊ちゃんが、はじめて<中学校へ来たら、
もう放課後で、誰も居ない。宿直は一寸(ち
ょっと)用達(ようたし)に出たと小使が教
えた。随分気楽な宿直がいるものだ>と坊ち
ゃんは思ったのです」
「ははあ、それで自分が宿直になったとき、
ちょっと温泉に入りにぬけてもいいだろうと
判断したのだな」
「宿直の<一寸用達>は慣習化し、日常化し
ていた。これは奏任待遇の監督不行届で、御
真影への不敬罪ということになりますね」
「日本の官僚機構は今でもそんなことを性懲
りもせず繰り返している」


文学士
   2007/7/24 (火) 16:22 by Sakana No.20070724162257

7月24日

『坊ちゃん』が赴任した中学校の赤シャツ
教頭は文学士でした」
「今どき文学士なんて掃いて捨てるほどい
る。大学の文学部を卒業さえすれば誰でも
文学士だ」
「明治時代はそうではありません。文学士
という肩書には権威があったのです」
「大宝律令の時代の有品親王の家や徳川時
代の各藩の<文学>(儒員)につながる権
威だろう」
「その権威ある文学士を坊ちゃんは何とい
ったか覚えておられますか」
「ハイカラ野郎だったかな」
「それは会津っぽの山嵐が言ったことです。
<ハイカラ野郎では不足だよ>というのが
坊ちゃんの過激な反応です」
「じゃ何と云うんだ」
「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師
の、猫被(ねこかぶり)りの、香具師(やし)
の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴
けば犬も同然の奴とでも云うがいい」
「ということは、文学とは要するに、ハイカ
ラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被
(ねこかぶり)りの、香具師(やし)の、モ
モンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬
も同然の奴がやっていることになる」
「まさに、その通りですね」
「そういえば、きみも文学士だったな」




勧善懲悪
   2007/8/7 (火) 18:22 by Sakana No.20070807182250

8月7日

「坊ちゃんも山嵐も数学の先生ですが、『坊
っちゃん』は<文学>のペテン・イカサマ性
を風刺する小説なのでしょうか」
「漱石は明治四十四年(1911)年に文学博士号
を辞退している。国家の権威と結びつく<文
学>を拒否したのだろう」
「イギリスに留学までさせてくれた明治の国
家が嫌いだったのでしょうか」
「坊っちゃんは江戸っ子、山嵐は会津っぽだ」
「あ、そうか。どちらも戊辰戦争の負け組で
すね」
「画学の先生の野だいこも江戸っ子だが、勝
ち組の赤シャツにすり寄って、権威のおこぼ
れにあずかっている」
「こんなのが江戸っ子なら江戸には生まれた
くないものだと坊っちゃんは言っていますね」
「江戸っ子にかぎらず、形勢有利なほうにつ
きたがるのはバンドワゴン効果といって、人
間の常だ」
「逆に、負け組を応援する判官贔屓の心理も
庶民は持っています」
「『坊ちゃん』に人気があるのはそれだよ。
『忠臣蔵』と似たようなものだ」
「『忠臣蔵』と似たようなものなら、『坊ち
ゃん』には勧善懲悪の思想がありますね」
「その通り、勧善懲悪の文学だ。漱石は『文
学形式論』で読者が面白いと思う文学の形式
を研究しているが、その形式はどのようなも
のかをつきつめて考えると、勧善懲悪になる」
「勧善懲悪の文学は坪内逍遙の『小説神髄』
によって否定されていますが」
「逍遙は赤シャツだよ。ハイカラ野郎の、ペ
テン師の、イカサマ師の、猫被(ねこかぶり)
りの、香具師(やし)の、モモンガーの、岡
っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然の奴だ」


小説神髄
   2007/8/18 (土) 11:32 by Sakana No.20070818113231

8月18日

「坪内逍遙『小説神髄』を読みはじめました」
「この暑いのに、わざわざハイカラ野郎の人
騒がせの論文を読むとはご苦労さま」
「<盛んなるかな我国に物語類の行はるゝや>
という格調高い書き出しです。ハイカラ野郎
の筆致とは思えません」
「洋学者とはいえ、安政6年(1859)年生まれだ
から、当然、漢学の素養はあった」
「物語類とは遠くしては『源氏』『狭衣』
『浜松』『住吉』あり、近くしては井原西鶴、
山東京伝のともがら物語かきあらはして虚名
を一世に博してより小説ますます世に行われ
て・・・と書いています」
「物語と小説とは同じとみなしているようだ
な」
「そうですね。三馬、一九の滑稽本、春水の
人情本、種彦の『田舎源氏』、馬琴の『八犬
伝』なども稗史、小説、物語の類とみなして
います」
「それなら論文のタイトルは『稗史神髄』か
『物語神髄』でもよかったが、『小説神髄』
とした。それが逍遙のお手柄といってもよい
が、ハイカラ野郎の所以でもある」
「<小説は仮作物語(つくりものがたり)の
一種にして、所謂奇異譚の変態なり>と書い
ています」
「奇異譚とは?」
「英国にてローマンス(romance)というもの
です。これは趣向を荒唐無稽の事物にとって、
奇怪百出の代物。それに対して、小説すなは
ちノベル(novel)は<世の人情と風俗をば写
すを以て主体となし、平常世間にあるべきや
うなる事柄をもて材料として而して趣向を設
けるものなり>です」
「ノベル(novel)をローマンス(romance)より
上位としている」
「馬琴の『八犬伝』などの物語は奇異譚(ロ
ーマンス)と考えたようです」
「ノベル(novel)とローマンス(romance)はヨ
ーロッパでは小説の二大潮流だが、ともにも
ともとは新奇で、卑俗なジャンルとみなされ
ていた。十八世紀末になってようやく文学
(literature)の仲間に入れてもらえたのだ」
「どちらも成り上がり者だったのですね」


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「夏目漱石の『文学論』を読みとく」 長谷部さかな 著
 Copyright © 2014 Sakana Hasebe